首相 反原発グループと会談8月22日 15時8分
野田総理大臣は、原発に反対する抗議活動を続けている市民グループのメンバーらと総理大臣官邸で会談し、原発の運転再開について、来月発足させたいとしている原子力規制委員会が厳格に安全性を確認して判断していくとして、理解を求めました。
野田総理大臣は、22日午後、毎週金曜日を中心に総理大臣官邸の前で原発に反対する抗議活動を続けている市民グループのメンバーらおよそ10人と総理大臣官邸で会談しました。
この中で、市民グループのメンバーらは、関西電力大飯原発の運転再開の中止や、現在、停止している原発を運転再開させないこと、それに、国のエネルギー政策を転換してすべての原発を廃炉にすることなどを求めました。
これに対し、野田総理大臣は原発の運転再開について、「これまでの知見や対策を踏まえ、安全性を確認し、国民生活への影響などを総合的に判断したもので、特定の経済団体などに影響された判断ではない」と述べました。
そのうえで、野田総理大臣は「これからも安全性の向上に不断の努力をしていく。来月には発足させたいと思っている原子力規制委員会の下で、厳格な安全性の確認をしてもらいたい」と述べ、理解を求めました。
また、野田総理大臣は国のエネルギー政策について、「政府の基本的な方針は『脱原発依存』で、中長期的に原子力に依存する態勢を変えていくことを目標にしている。丁寧に国民のさまざまな声をしっかり受け止めながら、政府として、最終的には責任を持って、方向性を定めていきたい」と述べました。
菅前首相“大変よかった”
会談に同席した菅前総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、「皆さんから言われたことを、しっかりと野田総理大臣が聞いて、『これからいろいろ考えていくうえで参考にしたい』と言ったことは大変よかった。こうした形がとれたのは、野田総理大臣にとってもよかったと思うし、皆さんの意見を政治に反映させるという意味でも、大きな一歩であってほしい」と述べました。
“面会は理解できない”
国民新党の下地幹事長は記者会見で、「野田総理大臣が会う団体は、反原発で、再稼働反対だ。国は再稼働を決めているので、この段階になって会うことに本当に意味があるのか。このような形で会うと、また『民主党のエネルギー政策がぶれているのではないか』ということになる。そのようなイメージを持たれるような会い方をするのは、よくないし、理解できない」と述べました。
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