危険すぎた「女子大生ルーマニア一人旅」 アイセックに「説明不十分」と批判噴出

2012/8/21 19:05

   NPO法人「アイセック・ジャパン」(アイセック)の海外インターンシップでルーマニアに渡った女子大学生(20)が殺害された事件は、女性が海外で夜間に単独行動をせざるをえなかったことが引き金になったのでは、との声が上がっている。

   アイセックはこの事件に関して一切の説明を控えるとしており、公式サイトはつながりにくい状態が続いている。事件の詳細はわからないままで、インターネット上ではアイセックに対する批判が噴出している。

アイセック「一切の説明を差し控える」

   地元メディアの報道などによると、女子学生は2012年8月15日にルーマニアの首都・ブカレストの空港に到着後、ブカレストから西に約420キロ離れたクラヨーヴァに向かう予定だった。ルーマニア人の男と一緒にタクシーに乗り込み、空港近くのバス停で降車したことがわかっているが、その後、消息が途絶え、17日、道路脇の森の中で遺体で発見された。地元警察は17日夜、タクシーに同乗した男を殺害容疑で逮捕した。男は容疑を否認しているという。

   女子学生の名前で書き込まれたフェイスブックやツイッターによると、女子学生は現地で日本語を教えるためにルーマニアに派遣された。ブカレストへのフライトの前には「ルーマニア着いてから一人で深夜電車に3時間乗らなきゃだから、それが最大の不安というか何というか辿り着けたら奇跡だと思う」とツイートしている。

   女子学生のツイッタープロフィールには「AIESEC(アイセック)」という記述があり、さらにアイセックの公式サイトで「ルーマニアに渡航した邦人女性が同国内で亡くなられたとの報道がなされておりますが、当団体ではご遺族のご意向を踏まえ、本件に関して一切の説明を差し控えさせて頂きます」との注意書きが掲載されていることから、女子学生はアイセックのインターンシップでルーマニアに渡ったと思われる。

アイセック関係者がツイッター非公開に

   インターネット上では、アイセックの説明が不十分かつ公式サイトがつながりにくい状態が続いていることなどから、批判の声が噴出している。

   多くは女性のインターン生が深夜の海外で1人になるというスケジュールを問題視しているものだ。アイセックの説明がないので女子学生の旅程がどのように組まれたかは不明だが、元アイセックメンバーを名乗る人は、交通手段や宿泊先などの手配は本人とアイセック現地支部が行うもので、日本のアイセックは助言する程度だ、と書き込んでおり、今回もこのやり方だった可能性がある。

   また、あるアイセック関係者がアイセックを非難するツイートに対して謝罪と訂正を求めたことで、「人の死より自分の身を守ることが大事なのか」という批判も上がっている。さらに関係者の一部がツイッターアカウントを非公開設定にしたり、プロフィールからアイセックの記述を削除したりしている。これが事件と関係しているかは不明だが、批判が過熱する結果となっている。

「迎えが来るはずなのに誰もいなかった」ケースも

   一般社団法人 海外留学協議会(JAOS)に話を聞いたところ、海外留学やインターンシップをする場合、初めて行く土地では有料の出迎えサービスを手配することが一般的だという。これは本人に任されるわけではなく、通常は団体側が手配を行う。

   渡航スケジュールや現地到着後のサポートなどは現地の治安などの情報を受け入れ側の団体から送り出す側の団体に提供し、状況に応じて決めていくのが当然だと話していた。

   日本と現地のアイセックの間でのコミュニケーションが不十分だったと考えられるケースがある。2012年2月からアイセックのインターンシップでルーマニアに渡ったある学生のブログによると、ルーマニア北西部の都市クルージュナポカに到着後、マネージャーが迎えに来る予定だったが誰もいなく、連絡もつかない。何とか空港のスタッフに助けを求め、タクシーに乗ってマネージャーと落ち合うことができたそうだ。本人は不備に対して特に怒らなかったと書いているが、事件や事故につながっていた可能性もある。

   アイセックはオランダのロッテルダムに本部を置く学生による国際的非営利組織で、世界110の国と地域で活動、日本では24の委員会から構成されている。活動理念は「国際的な視野にたち、且つ自国の社会や人々の発展と成長に貢献しうる人財を世に送り出す事」で、海外インターンシップを主な事業としている。

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