赤字のため廃線問題が浮上している四日市市南部を走る近鉄内部・八王子線の存続を訴える要望書を、四日市と鈴鹿両市の自治会連合会、北勢地区県立学校長会の代表が二十一日、大阪市の近鉄本社を訪れて提出した。近鉄側は、廃線が決まれば、線路を専用道路にしてバス輸送する代案を示した。
この問題は今年一月、近鉄が市に対し、車両更新費への補助に加え「運営費の補助もないと存続は難しい」と申し出て、市は「民間会社の赤字まで補えない」として協議が難航している。両線は高校生や高齢者を中心に一日一万人が乗降するが、年間三億円弱の赤字が出ている。
要望書提出後の会談は非公開となり、近鉄や四日市市自治会連合会の高野健会長によると、近鉄側は「経営状態を考えると存続は難しい」とし、輸送機能維持のためバス輸送を説明。線路撤去や舗装、バス購入など二十五億〜三十億円を見込む初期投資に市の補助を求め、運営は自前で進める考えを示した。
高野会長は「バス輸送案は機能維持になるか疑問で、路線存続を求めるのは変わらない」と話した。四自連は来月から署名活動を始める予定。
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