広島が手痛い黒星を喫した。21日のDeNA戦(マツダスタジアム)を2—3で落として4連敗。エース・前田健は7回の最大のピンチを抑えるなど粘りの投球で味方の援護を待った。しかし、打線が再三のチャンスをものにできず、8回、ついに力尽きた。
同点で迎えた7回に最大のピンチが訪れた。先頭の金城に安打を浴び、続く梶谷が放った犠打を三塁・堂林が悪送球。この一つのミスから一気に無死二、三塁と絶体絶命の危機が訪れた。
1点も与えられない場面となったがここから赤ヘルのエースが底力を発揮した。続く高城を空振り三振に取ると代打・渡辺直の際には変化球でスクイズを阻止。最後はこの日、2安打を許していた荒波を二ゴロに抑えて危機を脱出。前田健はグラブを叩きながらガッツポーズを見せた。
成長著しい後輩のためにも何としても抑えたかった。ピンチのきっかけを作った堂林は食事にいくなどかわいがっている存在だ。守備面に大きな不安を抱えているが「堂林がエラーをしても誰も責めたりしない。堂林が出てきたことはチームにとってプラスになっている。僕も初めのころはミスをしたりしていたが、カバーしてもらっていた。これを乗り越えれば頼もしくなる」。発展途上の後輩のミスは自らの投球でカバーするつもりなのだ。
しかし、そんなエースの奮闘に打線は応えることができなかった。この日、右ひじ痛のためにエルドレッドがスタメンを外れて松山が4番に入り新たな打線になったが、野村監督の期待通りにはいかない。0—1の初回に菊池のプロ初本塁打となるソロアーチで同点に追い付き、再びリードを許して迎えた6回には石原の適時二塁打で追いついた。ただ、4、5、7回と毎回のように作った好機であと1本が出ずに得点することができなかった。
すると、粘りの投球でピンチをしのいできた前田健にも限界が訪れた。8回一死から筒香にソロアーチを被弾。打線はその後もDeNAの継投策の前に得点することができなかった。相性抜群のお得意様にエースで敗戦。ショックは大きいが、上位進出のためには落ち込んでいる暇はない。
今日22日は黄金ルーキー・野村が先発。この試合に勝たないと、このまま大型連敗に突入しかねない。
