米女子ツアー「セーフウェー・クラシック」最終日(19日、パンプキンリッジGC=パー72)、初日から首位の宮里美香(22=NTTぷらら)が70で回り、通算13アンダーで完全優勝した。22歳10か月での米ツアー初Vは、宮里藍の24歳1か月を上回る日本人最年少優勝記録だ。
「今季の活躍を見ていたら近いうちに勝つだろうと思っていました。私にとって刺激になるし、お手本にもなる」。そう言って美香の勝利を、わがことのように喜んだのは有村智恵(24=日本HP)だ。例年、有村がオフの合宿を行うフロリダは美香の拠点。トーナメント会場以外でも顔を合わせる機会は少なくない。
そんななか、見習いたい点として挙げたのは美香の強い気持ち。「ゴルフへの情熱がなければ、親元を離れて米国に拠点を置くことはできないと思う。私には勇気がなくてできないことをやっている」と2歳年下の後輩に敬意を示す。
女子ゴルフ界で宮里といえば、誰もが藍のことを思い浮かべる。「同じ沖縄出身で(昨季まで)同じウエアでプレーしていたし、宮里は藍先輩だけじゃないぞという気持ちもあったと思う」。有村はオフに契約を一新した美香の今季にかける思いを察した。
美香は特にここ1年、苦手のパッティングとショートゲームに時間を割いた。最近では、メンタルコーチのクリスチャン・スミス氏から「自分を100%信じること」や「優勝のイメージを持つこと」という指示を受けて、これを忠実に実践してきた。
下書きの紙を見ながら「すごく興奮してて、なんて言っていいのかわからない。(1打差まで迫られた)柳(簫然=22、韓国)さんはいいプレーで、後半はナーバスになったけど、目の前の一打一打に集中した」と苦手な英語で優勝スピーチ。美香が、今季メジャー最終戦となる「全英女子オープン」のV候補にも名乗りを上げた。