巨人・高橋由伸外野手(37)が17日の広島戦で8号2ランを放ち、史上37人目となる通算300号本塁打を放った。今季は腰の手術の影響も癒え、要所で勝負強さを発揮。引退説を払しょくし、見事に復活した天才打者をつき動かしているのは自身3度目の「3割30本塁打」と「2000本安打」の大目標だった。
飛ばない統一球を逆方向へ本塁打にできる打者は、現在のプロ野球界には数えるほどしかいない。「並じゃない。歳を逆に取っている」。原監督がそう表現したのも納得できる一撃だった。
苦しい道のりだった。わずか1打席の出場だった2009年オフに腰を手術。4年契約最終年の昨季は、打率2割4分6厘、15本塁打、37打点と物足りない成績に終わり、契約更改では球団史上最大幅となる1億8千万円減を飲んだ。球団内では次期監督候補とも噂され「今年ダメなら引退」とささやく声もあった。
だがネックだった腰の状態は回復。肉体の充実とともに数字への欲も戻ったようだ。今後の目標について高橋は「(故障をせず)順調ならいろいろあったが、大きな目標はなくなった」と語ったが、ある後輩選手によれば「本音は違う」。
開幕前、原監督の今季構想では、新外国人のボウカーを左翼レギュラーで起用し、高橋由はその控えという立場だった。それだけに「由伸さんは夏場にピークを合わせるつもりでいた」(前出の後輩選手)という。だがフタを開けてみればボウカーや松本哲の不振で、スタートからスタメン起用が続いた。
「由伸さんの中では『準備不足だった』という思いがあるようです。今年の成績には納得していないでしょうし『3割30本塁打をもう一度打ちたい』と話していました。腰への不安が消えた今年のオフは、相当厳しい自主トレを積むつもりでいるようです」(同)
一度は諦めかけた大目標も、再び視界にとらえている。この日の本塁打で通算安打は1619本。ある関係者が「2000本安打を打ったら、記念にその日のジャビット人形をくれないか」と冗談半分で頼むと、高橋は「○○さんにあげる前に(他の人にあげて)なくなっているんじゃないかな」と真顔で答えたという。つまりは“打つ気満々”なのだ。
そんな高橋の挑戦を、原監督も「はるかに若返っている。まだ未来も見えている」とアシストする。引退の瀬戸際から奇跡の復活への道を歩む――。来年はさらに輝きを取り戻した天才打者・高橋由の姿を目にできそうだ。
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