第94回全国高校野球選手権大会で4試合68奪三振をマークした桐光学園(神奈川)の2年生左腕・松井裕樹投手。若き“ドクターK”の躍動に甲子園は大いに沸いたが、さらにヒートアップしているのが松井の地元球団でもあるDeNAだ。横浜スタジアムとタッグを組んで、尖閣諸島よろしく松井の“領有権”を声高に主張。日本の11球団はもちろん、メジャー球団も手を引くように求めた。
常総学院戦(16日)での松井の19奪三振をテレビ観戦したDeNA・中畑清監督(58)は「変化球だけかと思ったら直球もいい。即戦力。ウチは左腕のエースが欲しい。今年(ドラフトで)指名したいくらい。横浜出身だし。彼の投球はお客を呼べる投球」と横浜市青葉区出身の松井にベタボレ。高田GMも「素晴らしい選手。継続調査したい」と2013年ドラフトでの獲得に意欲を見せた。
だがDeNAにとって問題となるのは前身の横浜時代からのドラフトでのクジ運の悪さだ。昨年、3分の1で藤岡貴裕投手(現ロッテ)を外したほか、1998年には横浜高出身の松坂大輔投手(現レッドソックス)も3分の1の確率で外した。藤岡はともかく、相思相愛だった地元のスーパースターを逃した“松坂の悪夢”の再来は何としても避けたいところ。
というのも松井とDeNAも、松坂と横浜がそうだったように「相思相愛」だから。
横浜時代から球団に残っている古株の球団幹部は「松井君は小学生の時から知っている。山内小学校6年生の時、ベイスターズジュニアだったし、その後、青葉緑東シニアに入った時、紹介もした。親御さんもよく知っている」と家族ぐるみの付き合いを強調するほどだ。
実際、松井は07年、ベイスターズジュニアに選ばれた喜びを青葉区の地元誌に「ベイスターズと一緒のユニホームを着られるのでうれしいです」と語っている。
もちろん野球協約の関係でプロは高校生と直接、接触できないが周辺とは友好な関係を継続。昔のよしみを最大限に活用していく。
それでもクジ引きとなれば、どこの球団にさらわれないとも限らない。できることといえば、しつこく「相思相愛」をアピールして競争相手を減らしていくことしかない。
横浜スタジアム幹部は「(中国等と領有権を争う)尖閣諸島と一緒で横浜のもの。他(の球団)は手を出すな」と松井の“領有権”まで主張した。
この分だとDeNAサイドの「松井はウチの選手」というアピールが今後、過激化していくのは間違いなさそうだ。
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