洋太に挑戦状を叩きつけた八重樫。右は井岡戦後の顔面崩壊写真
|
 |
前WBA世界ミニマム級王者八重樫東(29)=大橋=とWBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太(28)=協栄=の対戦が21日、急浮上した。八重樫はこの日、横浜市の大橋ジムで、6月20日の井岡一翔とのWBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦で敗れて以来の本格的なジムワークを再開。同じ岩手県出身で弟分でもある佐藤への挑戦を熱望した。その話を聞いた協栄側も乗り気で、11月から年末にかけ“禁断のみちのく対決”実現の可能性が出てきた。
大橋会長の冗談半分のひと言が始まりだった。「必要とあらば、みちのく対決もやりますよぉ」。言うまでもなく、八重樫と佐藤のことである。両者は同郷で私生活でも親しい先輩・後輩。フツーならあり得ないマッチメークだが、八重樫は意外や意外、乗ってきた。
井岡戦の前、ボクシング雑誌の取材に佐藤は「井岡有利」と予想した。そのことについて八重樫は「ヤツは裏切った。それに生意気」とジョークめかして遺恨を口にした後「井岡戦で終わったはずのボクだけど、首の皮一枚つながった。洋太もボクも家族がいる。サバイバルなんです」と真顔でつぶやいた。
ただ、ネックはある。2階級飛ばしでいきなりの世界挑戦は異例。岩手県人同士のつぶし合いに、県民が拒否反応を示さないかも両陣営の懸念材料だ。逆に、岩手県出身の前世界王者と現世界王者の熱い戦いが震災から復興途上の東北に勇気を与えることになるかもしれない。禁断のみちのく対決。やるなら今しかない。 (竹下陽二)
この記事を印刷する