福島第1原発:プール冷却遅れ爆発 「ヘリで氷投下」断念
毎日新聞 2012年08月22日 02時30分(最終更新 08月22日 02時53分)
昨年3月の東京電力福島第1原発事故で、東電が比較的早い13日朝の段階で使用済み燃料プールの温度上昇を懸念していながら有効な手を打てず、その2日後に4号機のプールの水素爆発を招いていたことが、東電が報道関係者限定で公開しているテレビ会議の映像から判明した。ヘリコプターからプールへ大量の氷を落として冷却する作戦も検討したが、周辺の放射線量が上昇し、パイロットの手配がつかずに断念。後手に回ったプール対策が事故を拡大させたことが裏付けられた。
「氷とかドライアイスとかなんでもぶち込む」(本店幹部)。テレビ会議によると、氷による冷却案は、1号機のプールから湯気が出ていることが報告された13日午前8時ごろから検討された。3号機周辺で線量が上がっていたため、ヘリから落下させる案が有力になった。
「墓石サイズで、今100トン手配できました」。同正午ごろには本店がテレビ会議で報告し、同夕には経済産業省原子力安全・保安院が手配した自衛隊ヘリコプターが用意された。氷は目標物に落下命中させやすいうえ、溶けるまで時間を稼げるメリットがある。