京畿道南楊州市が15年以上にわたり、首都圏住民2500万人の上水源となる八堂湖にトイレや台所の汚水を毎日約1万トンずつ違法に垂れ流していたことが、20日までに分かった。
15年間に排水された汚水は約5500万トンに達すると見込まれる。環境部(省に相当)の関係者によると、南揚州市はこっそり下水を排水するため「秘密放流口」も作っていたという。
環境部は今月2日、李錫雨(イ・ソクウ)南楊州市長を下水道法違反の容疑で検察に告発した。李市長は2006年に就任したが、違法な排水は同氏が就任するはるか前から行われていたことが明らかになった。地方自治体の首長が下水の違法な排水で告発されるのは初めてとなる。
環境部や漢江流域環境庁などによると、南楊州市は1993年に建設した和道下水終末処理場第1段階施設と97年に増設した第2段階施設に、正式な放流口(縦横ともに約1メートル)とは別に秘密の放流口(縦横ともに約1.5メートル)を1カ所ずつ設け、市管内から流入した下水を付近のムクヒョン川に垂れ流していた。
環境部の関係者は「和道下水処理場の下水処理容量は1日4万3000トンだが、これより多い1日平均5万3000-5万6000トンの下水が入ってくるため、毎日1万トンほどの下水を秘密放流口からこっそり垂れ流すようになった」と説明した。また「北漢江の支流のムクヒョン川に捨てられた汚水は、北漢江を経て(下水処理場から約10キロ離れた)八堂湖に流入する」とし、汚水の垂れ流しは八堂湖のアオコ増殖の一因になったとの見解を示した。その上で「自治体が故意に飲料水源を汚染するという想像を絶することがなぜ長期間続いてきたのか、経緯を把握しようとしている」と語った。下水道法では、こうした行為に対し5年以下の懲役または3000万ウォン(約210万円)以下の罰金刑に処すると定めている。
南楊州市の関係者はこれに対し「下水処理容量を1日1万9000トン増やすため、2010年に環境部に予算支援などを申請したが、棄却された」と話している。