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奥州の石淵ダム渇水深刻 取水再び停止、稲作への影響懸念

渇水が深刻な石淵ダム=20日午前9時ごろ(北上川ダム統合管理事務所提供)

 今月に入ってからの雨不足を受け、岩手県奥州市胆沢区の石淵ダムの渇水が深刻化している。貯水率が17%まで低下し、10〜14日に行った取水停止を20日に再開。1994年以来の水不足で、下流域で稲作への影響も懸念される。
 国土交通省東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所によると、石淵ダム上流域の8月の平均降水量は2007〜11年が平均210ミリなのに対し、ことしは20日までで83ミリにとどまる。
 この時期は例年66%の貯水率を保つが、ことしは今月10日に17%にまで下がり、取水を停止。その後の雨で14日には46%にまで回復、取水を再開したが、20日には17%に急減して再び停止した。
 同ダムは奥州市と金ケ崎町に広がる胆沢平野の水田約8500ヘクタールにかんがい用水を供給している。胆沢平野土地改良区(奥州市水沢区)によると、8月は穂が出そろう時期で、水不足は立ち枯れやコメの白濁など品質低下を招きかねない。
 同改良区は9月4日までかんがい用水を利用する権利がある。担当者は「農家によっては生育が遅れ、まだ水が必要な人がいる」と話す。
 取水停止で21日午後5時現在、貯水率は33%まで回復、22日から2日間程度は取水できる見込みとなった。統合管理事務所は「当面は取水と停止を繰り返し、用水を確保するしかない」と語る。


2012年08月22日水曜日


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