大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が自宅マンションから転落死し、市教委が同級生からいじめを受けていたと認めた事案で、生徒の父親が16日、朝日新聞の取材に応じた。現在もいじめと死亡との因果関係を認めない学校側に対し、「原因をうやむやにしないでほしい」と要望している。
生徒は10月11日朝、大津市内の14階建てマンションの敷地内で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。大津署は飛び降り自殺したとみている。市教委は今月2日、この生徒が死亡の約1カ月前から、いじめを受けていたと公表した。
取材に応じた父親は「とにかく、何があったのかが知りたい」という。生徒が亡くなった後、知人から「学校でいじめがあった」と聞かされた。学校側に調査を求め、先月28日にいじめがあったと報告を受けた。成績表を破られ、死んだハチを食べるよう強要されるなどのいじめを受けていたと知り、「吐き気がした」という。
だが、学校側はいじめと死亡との因果関係は「判断できない」としたまま、調査を打ち切った。父親は「いじめがすべての原因ではないと思うが、少なくとも要因の一つだと認めてほしい」という。学校が原因を明らかにし、それを生徒や保護者が認識することが再発防止につながると指摘する。「息子の死に意味を持たせてやりたい。残念ながら、いじめは起きる。その時にどう対応するかを考えるためにも、あいまいなままで終わらせたくない」と訴える。(中村亮、一色涼)