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携帯電話料金が安くなったのは、インド政府の規制緩和と、外資の参入の果たした役割が大きい。
1994年には、インド政府は「新テレコム政策」(New Telecommunications Policy:NTP)を作成し、インドの通信市場の成長には外資企業の誘致と、通信サービスの民営化が重要であるとした。また1999年には、スピードが遅いとのことで、さらなるテレコム政策を作成し、市場の活性化を急いでいる。これら政策に沿って、インド政府は規制の緩和、通信市場における民営化、外国企業の誘致を実施した。
インド政府も通信インフラの質の低さを、十分承知しており、「これでは外国と商売するのに困る」と自覚していたため、なんとか改善しようと頑張っているわけだ(参考資料 [PDF])。
インド政府の努力の結果、インドでは外国企業と合弁の携帯電話会社が増加し、携帯電話会社同志の競争が激化した。
現在インドは、世界1携帯電話通話料金が安い国であるといわれている。例えば、インド最大の携帯電話会社であるBhartiは、一秒辺り0.01ルピー (US$0.0002)という激安価格で音声通話を提供している(参考資料)。またSIMカードに関しては、99ルピー(1ルピー1.8円換算で約180円)程度で販売されている。180円で1ヶ月着信可能、発信はおおよそ200分まで可能である(参考資料)。
低価格携帯電話の登場もインドでの携帯電話普及率を支えている。通話のみの機種の場合は、1,000ルピー(1ルピー1.8円換算で約1,800円)程度からあり、カメラ、メール、ネット接続が可能な端末は、3,000〜6,000ルピー(1ルピー1.8円換算で約5,400円〜10,800円)、ワンセグが可能な端末は9.000ルピー程度(1ルピー1.8円換算で約16,000円)で提供されている。
例えばNokiaの低価格機種であるNokia 1202は、1,050ルピー(1ルピー1.8円換算で約1,919円)で提供されている。Nokiaとサムソンは低価格帯機種に力を入れており、様々な機種が1,000〜3,000ルピー程度で提供されている(参考資料)。
また最近までは中国製のコピー品激安携帯がインド国内で出回っていた。一時期はインド国内での携帯電話の8%に達する勢いであったのだが、インド政府が規制に乗り出した。これらのコピー品は、政府の検査を経てないので、携帯電話個々に割り振られる15桁の国際機体識別番号(IMEI)が認識できない。2009年にインド政府は国際機体識別番号(IMEI)が認識できない携帯電話の接続をブロックした(参考資料)。
また、2010年4月には、インド政府は中国のHuawei Technologies とZTEが提供する携帯電話を「セキュリティ上の問題がある」として、インド国内での提供を禁止している(参考資料)。
谷本真由美(たにもと・まゆみ)
NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。
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