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連載「酒の罪と病」(3) 病気認めることから

 結婚当初から、酒を飲むと人が変わった。暴言や、何をしても愚痴や文句ばかり。「飲まなければ、本当に温厚な人なんです」。唐津市の磯部享代(たかよ)さん(52)は、夫のことをそう語る。「仕事の付き合いがあるし、ストレスもあるのだろう」と、夕食時には焼酎を準備していた。

 でも、体や仕事のことも心配だった。酒をやめてもらおうと、磯部さんは両親や知人に何度も相談してもいた。しかし、答えはいつも同じ。「お前の辛抱が足りない」。磯部さん自身が責められ、一人で思い悩み、別居したこともあった。

 12年前、離婚を決意して夫を病院に連れて行った。「アルコール依存症です。ご主人は病気なんです。ほっといて離婚するんですか」。これまでの夫の行動が、病気によるものと初めて分かった。依存症に対して無知だった。

 退院後から、夫と一緒に県内外の断酒会に通い始めた。「依存症のつらさは、経験した家族にしか分からない」。断酒会で同じ境遇の人の話を聞くことで、心が落ち着いた。「夫が隠している酒にお酢を混ぜたりして。楽に断酒を考えられるようになった」。家族に笑顔が戻った。

      *      

 依存症患者でつくる自助グループの一つに断酒会がある。佐賀県断酒連合会に所属する団体は、県内8地区にある。各会が月1~2回の会合を開き、酒害体験や断酒の取り組みなどを率直に語り合う。

 「無我夢中で酒を飲んでいました。飲酒運転をして“赤切符”をもらったこともありました」。毎月第1水曜日に開かれる唐津市浜玉町の断酒会。会員の1人は酒を断つ前の体験を語り、こう続けた。「酒に手を出さないためには、断酒会に出席し続けることが何よりですもんね」

 依存症は予後の悪い病気とされる。「酒の害を勉強して退院しても、その後、酒を断つことができる人は20~30%程度。自助グループで支え合うことが大切です」と肥前精神医療センターアルコール病棟の遠藤光一精神科医長(43)。退院後の依存症の治療として、通院と抗酒剤の服用に加え、断酒会への参加を大きな柱の一つに挙げる。

      *      

 磯部さんらは今年4月、依存症患者の家族会を立ち上げた。患者の回復には、家族の支えと理解が欠かせない。「話をすることで楽になるのは、患者本人よりも、家族の方だと思うんです。本人の前では言えないことも、安心して話せる場所が必要なんです」と意義を語る。

 「酒の飲み方がおかしいと感じたら、まず病院で診察を受けて、断酒会や家族会に相談してほしい。依存症を知って、病気を認めることが治療の第一歩ですから」。磯部さんは同じ悩みを抱える家族の支えになっていくつもりだ。

2012年08月20日更新
会合の冒頭で「断酒の誓い」を唱和する浜玉断酒会の会員=唐津市浜玉町のひれふりランド

会合の冒頭で「断酒の誓い」を唱和する浜玉断酒会の会員=唐津市浜玉町のひれふりランド

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