韓中日新冷戦:日本政府内で勢いづく対韓経済報復論

韓日財務対話の延期も正式表明
李大統領の独島訪問と天皇謝罪要求で、韓国への経済報復求める声高まる
安住財務相「国民感情を逆なでする発言、看過できない」

 日本政府は17日、独島(日本名:竹島)問題などによる韓日関係の悪化を受け、韓国との通貨スワップ協定の凍結など、経済的な報復措置を取る可能性があるとの立場を示した。日本政府は同日、韓国と締結している通貨スワップ協定の拡大措置について「延期するかを含めて白紙」と見直しを示唆したほか、今月末に予定されている韓日財務対話の延期を正式に表明した。李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島訪問と「天皇は謝罪すべき」との発言を受けて激化している両国間の摩擦は、政治・外交分野だけでなく経済分野にまで拡大する様相を呈している。

 安住淳財務相は17日の記者会見で「(李大統領)の独島訪問と、天皇陛下に関する発言が、日本国民の感情を逆なでした。このような発言は看過ならない」と述べた。安住財務相はまた「昨年、困難な状況に陥った韓国に対し支援を行ったが(今回の韓国の対応は)遺憾だ。(韓国に対する)支援は日本国民の理解がなければならない」とも述べた。朝日新聞は同日「安住財務相は、韓国の対応次第で通貨スワップ協定の拡大措置を延長するかどうか決めると発言した」と報じた。

 今月10日に李大統領が独島を訪問した直後から、一部では通貨スワップの凍結を主張する声が上がっていたが、この時点では、日本政府は金融的な協力関係は維持するとの立場だった。だが、14日に李大統領が「日王(天皇)は謝罪すべき」と発言したことで、日本政府内部では通貨スワップ協定の凍結など経済報復を主張する声が急速に高まった。

 安住財務相は、昨年10月に決めた韓日間の通過スワップ協定の枠拡充について「韓国側の困難な経済状況を踏まえて配慮したもの」と述べた。韓日両国は、欧州発の財政危機が悪化した昨年10月、通貨スワップの規模を130億ドル(約1兆340億円)から700億ドル(約5兆5700億円)に拡充することで合意した。通貨スワップとは、外貨が不足した際に、決められた限度額内で協定相手国の通貨を必要なだけ融通し合うことを定める協定のことで「第2の外貨準備高」とも呼ばれる。当時、通貨スワップの拡充措置は、韓国側にも必要だったが、日本の輸出競争力に決定的に打撃を与えていた円高を解消するために、日本政府にとっても必要なものだった。それにもかかわらず、安住財務相は通貨スワップの拡充について、あたかも日本が外貨不足に陥った韓国を支援するために取った措置であるかのように歪曲(わいきょく)したのだ。

崔賢黙(チェ・ヒョンムク)記者
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