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大迷惑! その衝撃はギリシャ、スペイン危機どころではない。資本と経営が借り物だから不安定…

成長率4%台へ急降下! ついに始まった「一輪車経済」崩壊が世界を奈落の底へ道連れにする

SAPIO 2012年8月1日・8日号掲載) 2012年8月20日(月)配信

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「保八」放棄の背景には、こうしたこともあると思われる。

 実際、今後の情勢次第では、GDP成長率は1年以内に7・5%どころか6%台にまで落ちる可能性も十分あると私は見ている。もっと厳しい見方もある。今年2月6日、IMF(国際通貨基金)は、ユーロ危機が深刻化した場合、中国の成長率は4%台にまで急降下する恐れも出てきた、と指摘したのだ。

 11年、中国の輸出額は約1兆9000億ドルで1位、輸入額は約1兆7400億ドルでアメリカに次いで2位である。10年の数字だが、中国が世界の主要国の貿易総額(輸出入の合計)に占める割合はアメリカ14・3%、日本20・4%、ドイツ6・1%、韓国22・8%と、非常に大きい(いずれもIMFの数字)。世界経済がリーマン・ショックから立ち直る際には、中国の巨額の財政出動が大きく貢献した。そこまで世界経済の「中国頼み」が進んでしまったがゆえに、「中国危機」が現実になった時、それが世界に及ぼす影響の大きさはギリシャ危機、スペイン危機の比ではないのである。

 ここで触れた以外にもインフレ懸念、人民元への切り上げ圧力、民主化要求、政権内部の権力闘争など、中国は様々な不安定要因を抱えている。そのため、世界経済危機は中国を経由することで増幅される。なまじ中国が存在するからこそ、危機は大きくなるのだ。そして、中国を経由して増幅された危機は世界を奈落の底に落としかねない。

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