大迷惑! その衝撃はギリシャ、スペイン危機どころではない。資本と経営が借り物だから不安定…
成長率4%台へ急降下! ついに始まった「一輪車経済」崩壊が世界を奈落の底へ道連れにする
(SAPIO 2012年8月1日・8日号掲載) 2012年8月20日(月)配信
数字水増しのデタラメ経済が限界に
投資と輸出が頭打ちになれば、成長のためには内需を拡大するしかない。ところが中国の場合、今後、内需の要たる個人消費が大きく伸びることはあまり期待できない。豊かさの一方で厳しい貧困が存在するからだ。実際、GDPに占める個人消費の割合は先進国では6〜7割(日本は約6割、アメリカは約7割)であるのに対し、中国は4割弱。13億人以上の人口を抱えていることを考えると、この割合は異様に低い。貧困を解決するためには雇用を増やし、賃金を上昇させる必要があるが、賃金の上昇は企業の海外流出を促し、それが雇用を悪化させ、個人消費の伸びを妨げるという悪循環に陥る。
中国は過去10年、毎年9%台〜11%台という極めて高い成長率を続けてきたが(11年は9・2%)、温家宝首相は今年3月の全国人民代表大会で、今年の成長率の目標を7・5%にすると表明した。胡錦濤政権が雇用確保と社会の安定のために強く訴えてきた「保八」GDP成長率8%以上を保つことを放棄したのだ。
中国の成長率についてはこれまで「デタラメ疑惑」が絶えなかった。有名な話だが、地方政府が中央政府に実績をアピールしようとして水増し数字を発表するため、各省のGDPの合計が国全体のGDPを大きく上回る、といった奇妙な事態が起こっていた。これに対して経済の実態を反映しやすい指標のひとつが、1次データゆえに加工しにくい電力使用量だが、この数字が今年に入って悪化している。例えば、第1四半期の電力使用量は前年同期比で6・8%増だが、伸び率は5・9%も落ちている。
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