大迷惑! その衝撃はギリシャ、スペイン危機どころではない。資本と経営が借り物だから不安定…
成長率4%台へ急降下! ついに始まった「一輪車経済」崩壊が世界を奈落の底へ道連れにする
(SAPIO 2012年8月1日・8日号掲載) 2012年8月20日(月)配信
「世界の工場」が抱える大きなリスク
輸出の減速を大きくしている要因は、中国が「世界の工場」になっていることだ。今や中国は粗鋼の生産量も自動車の生産量も世界一で、「世界の工場」と呼ぶに相応しいが、その中身はかつての「世界の工場」とは根本的に異なる。実はそこに中国経済が抱える独特のリスクがある。
まずは18世紀後半に産業革命を起こしたイギリスが、次いで20世紀に入ってからアメリカが、そして第2次世界大戦後は日本が「世界の工場」となった。これらの国々の工場は、あくまでも自国の資金を投じることで建設され、自国の人々によって運営されていた。ところが中国の場合、確かに工場は中国国内に存在するが、それらは外資系企業が運営するものが中心だ。つまり、「中国が世界の工場になった」のではなく、「世界が中国を工場にした」のだ。「一輪車経済」は、それを支える資本と経営が借り物という面が強い。
借り物ゆえに世界経済の影響を受けやすい。例えば、EU経済が大幅に減速すると、単に中国企業によるEUへの輸出が減るだけでなく、「中国を工場にしている」外資系企業が中国からEUへ輸出する量も減少する。
輸出が減れば、当然、「世界の工場」は縮小せざるを得ない。それに加え、今、賃金上昇と労働争議という2つの難問が持ち上がっている。
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