五輪メダリスト銀座をパレード8月20日 14時28分
ロンドンオリンピックで、日本の選手団として史上最も多い38個のメダルを獲得した、各競技のメダリストたちが、東京・銀座をパレードし、沿道に詰めかけたおよそ50万人の声援に応えました。
このパレードは、JOC=日本オリンピック委員会が企画し、ロンドンオリンピックでメダルを獲得した体操の内村航平選手やレスリングの吉田沙保里選手など、ほとんどのメダリストが参加しました。
選手たちはおそろいの赤いブレザーを着て、屋根のない2階建てバスなど7台の車両で、東京・銀座のおよそ1キロを20分ほどかけてパレードしました。
沿道には主催者の発表でおよそ50万人が詰めかけたということで、選手たちは手を振って声援に応えていました。
オリンピックのメダリストによる大規模なパレードが行われるのは今回が初めてで、JOCでは、日本選手の活躍によるオリンピックへの関心の高まりを、2020年の東京オリンピックの招致につなげていきたいとしています。
厳しい暑さのなか大勢の人が
パレードが行われた銀座中央通りには、メダリストたちを一目見ようと、朝早くから多くの人たちが詰めかけました。
茨城県笠間市から来たという男性は「朝5時に出てきました。選手たちの苦労を思えば、待ち時間も大したことではないですよ」と話していました。
新潟県十日町市出身の女性は「地元で合宿してくれた重量挙げの三宅宏美選手の活躍が大変うれしく、きょうを楽しみにしてきました」と話していました。
40代の女性は「サッカーのなでしこジャパンの試合に感動したので、パレードを見に来ました。同じ女性として彼女たちのかっこよさに憧れます。『感動をありがとう』と伝えたいです」と話していました。
30代の男性は「レスリングの小原日登美選手を見に来ました。カメラを持って来たので、しっかり撮影したいと思います。雰囲気を楽しんで帰ります」と興奮気味に話していました。
東京の都心は午前11時の気温が31度3分と、厳しい暑さとなりましたが、集まった人たちは、扇子やうちわのほか、携帯型の小型扇風機などを持って、それぞれに熱中症対策をしていました。
“特別な盛り上がりを感じる”
通りに面した飲食店では、訪れた客にパレードがよく見えるように、2階の窓際のいすを取り払って、観覧スペースを設けました。
飲食店のマネージャーを務める山之内隆さんは「今回のオリンピックは日本中が熱狂しただけに、過去に銀座で行われたパレードの中でも特別な盛り上がりを感じます」と話していました。
パレードが始まってメダリストたちが姿を見せると、店内にいる人たちは手を振ったり、写真を撮ったりしながら、「おめでとう」とか「ありがとう」などと声をかけ、選手たちの活躍をたたえていました。
妊娠中という女性は「レスリングの吉田沙保里選手と目が合ったとき、おなかの子が動いて喜んでいたようでした」と話していました。
また、小学生の女の子は、「お父さんと一緒に応援していた女子サッカーの選手を、近くで見ることができてうれしかったです」と話し、カメラを手にした男性は、店内の熱気に汗が止まらない様子で、「興奮しすぎて、誰を見られたかよく覚えていません。20分間のパレードで力が尽きました」と話していました。
沿道から見た小学生の女の子は、「卓球の福原選手や石川選手に会いたいと思って来ました。バスのスピードが速くて、あっという間でしたが、実際に見ると、とてもかわいくてすてきでした」と話していました。
人の列の後ろのほうからパレードを見ていたという20代の女性は、「水泳の北島選手を楽しみにしてきたのですが、周りの人たちの背が高くて、ほとんど見えずに残念でした。それでも声だけは届けられたと思います」と話していました。
孫とパレードを見に来た60代の女性は「レスリングの吉田沙保里選手を直接見ることができて、とても感動しました」と話していました。
友人と来ていた30代の女性は「競泳の北島康介選手を見て興奮しました」と話していました。
30代の男性は「日本は暗いニュースが多いので、活気を出すためにも、東京でオリンピックを開催してほしい」と話していました。
横浜から来た70代の男性は「選手たちを間近で見ることができました。めったにないことなので、とても感動しました」と振り返っていました。
そして、2020年の東京オリンピックの招致に向けては、「自分が若いころに東京オリンピックが開かれて、よい思い出として残っている。ぜひ実現してほしい」と話していました。
内村航平選手“少しだけアイドル気分”
パレードに参加したレスリング女子の吉田沙保里選手は、「多くの方に集まっていただき、本当にうれしく思いました。皆さんに『ありがとうございました』と言えてよかったです。次の目標に向かってまた頑張ります」と話していました。
サッカー女子、なでしこジャパンの澤穂希選手は、「多くの方に応援していただいたのだと改めて感じました。感謝というひと言で言い表せないくらい、感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。
柔道女子の松本薫選手は、「多くの人の応援に支えてもらい、ありがとうございました。沿道の工事現場で働いている人も手を振っていたので、仕事しなくていいのかなって思いました」と話し、報道陣の笑いを誘っていました。
体操の内村航平選手は、「ほんの少しだけアイドル気分を味わいました。感謝の気持ちを伝えられる場がないので、4年後もメダルを取ったらパレードをやってほしいなと思います」と笑顔を見せました。
そして、2020年の東京オリンピックの招致について、内村選手は「東京でオリンピックがあると元気になると思うんで、ぜひ2020年の大会を東京でやってほしいです」と話していました。
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