携帯電話大手のソフトバンクの顧客情報が漏れていた事件で、愛知県警に不正競争防止法違反(営業秘密侵害)の疑いで再逮捕された探偵業平田一雄容疑者(36)が、ソフトバンク販売店の協力者から不正に得た顧客情報は計約2千件にのぼることが、捜査関係者への取材でわかった。
県警はこれまでに、平田容疑者の依頼で契約者の住所と自宅電話番号を漏洩(ろうえい)したとして、岡山市の販売店の元店長横田太佑(だいすけ)被告(33)と、香川県まんのう町の販売店の元店員巨海(こみ)美咲容疑者(21)を同法違反の疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、この2人を含めて、広島市の販売店の女性店長(当時)や複数の女性店員ら10人近い協力者がいた。平田容疑者が情報を転売していた愛知県の探偵業者から押収した資料から、平田容疑者は2007年6月からの約5年間で、約2千件の調査依頼を請け負っていた。平田容疑者が協力者に支払う報酬は1件あたり数千円。愛知県の業者には1件あたり1万数千円で転売していて、不法な利益は約2100万円にのぼるという。
県警は、平田容疑者が漏洩の依頼を複数の協力者に振り分け、継続的、安定的に顧客情報を得ていたとみている。