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実はなでしこ観戦時、その日の午後から体調がすぐれなかったため、

試合途中で気分が悪くなって倒れそうになった。



友人は仕事で遅れていて、まだ来ていなかったので、前半が終わるころに一人で、薬をもらおうと医務室に行った。



その部屋は、数名の若いバイトの男女が待機していて、医者はいなかった。


そこで、血圧をはかられたところ、170を超えていたのと、おまけに不整脈がばれて、狭い部屋は騒ぎとなった。


横向きに寝かされて、一人は慌てた様子で急患だ、とどっかに連絡していて、一人はいろんな質問、名前とか住所とか、おなじようなことを何回も何回も、別に意識が薄れてる訳じゃないんだけど…。


医者がくるのかと思ったら、
今から地下の救急センターに連れていくという。


いかに不整脈、血圧不安定な体質といえども、さすがに異常な数値だったので、怖くなって従った。


はじめは担架に載せられそうになったのを断って、車椅子に載せられ、
大急ぎで地下へ向かった。


客席からはだいぶ遠い、フィールドの真下あたりに、広い医療センターがあった。


こんな珍しいところに連れてこられて、写真を撮りたかったけど、「急患」なので、そういうわけにもいかず


病院みたいなベッドに移された。


そこでまた、看護師に同じ質問をうけ、血圧をはかられると、やはり180超えてる。


頭がくらっとするわけだ。


インド系の若い医者がやってきて、またはじめから同じ質問をされ、イラついてきた。


医者は、私に触れることもなく、「困ったね、ここには血圧を下げる薬はないんだよね」といった。


そして、「近所の病院も夜だから閉まってるしね」と。


「だから何もできることはないんだよね。。。」


あなたは何のためにここにいるのですか?と聞いてしまった。


「僕は医者、ここは医療センター、でも薬はないんだ、痛み止めしか」


…じゃあ、試合を見たいので席に帰ります。

することないなら早く試合を見に帰りたい。


ところが、医者はうーん、と首をかしげる。


「この数値でそういうわけにもいかないしなー、近所の病院に連絡して、今から開けてもらうことはできるけど、そこで薬くれるかな~」


でもそれじゃ試合が終わっちゃう。


試合が終わってから行きます。


医者は首を縦にはふらず、なんだか同じことを何度もうだうだいいながら、でも何もできないんだよね~とかなんとか。

あげく、書類をもってきて、

「自分の意思でこの部屋から出るというサインがほしい」


書類は、私が医者の治療を断って、自分の意思で医務室をでたので、そのあとどうなっても医者を訴えることはありません、という内容の書類だった。


これにサインしないとここから出られない、何が起こるか保障はできないと医者は言い、でも、ここにいても何も治療はできない。試合も見られない。


一体どうしろというのか、さっぱりわからない。


イギリスでは日系の病院しか行ったことがなかったので、これが噂に散々聞く、イギリスの放置医療かと思った。


風邪とかで来院すると、二週間後に来て下さいと言われるらしい。

二週間もすればだいたい治る、その時治ってなかったら、初めて薬を処方する…というやつだ。友人は以前、39度の熱を平熱だと言われて処方してもらえず、実はインフルエンザだったため、帰宅後危篤になった。



血圧は危険な数値でも、今すぐどうこうとも言えないし、コロンと死ぬかもしれないし。


日本ではすぐに、MRIでもとるか、応急でも血圧降下剤を出すんじゃないかと思うけど、


イギリスは滅多なことで検査はしない。


去年の食中毒死亡事故でも、被害者のキッチンのゴミ箱を調べて、原因がトマトだキュウリだと発表するくらいだから、本当の原因を追求するということがない。



とにかく客席に戻るまで、大変だった。。。


まあ、どうにか試合は見れたし帰宅もできたけど、


翌日、学校に行ったら、私が具合を訴えるより先に、教師が気付いて「あなた目の焦点があってないわよ、すぐ病院へ」と学校がタクシーを呼んでくれて、病院にいくことになった。



学校が推薦している近所の救急病院のくせに、なんと、また血圧を測った後(180あった)


「ここで薬は出せないので、家の近くの病院で登録してください」とインド系医師。


救急は外国人だろうと、保険登録していなかろうとみてもらえるはずだ。


学校にそのことを連絡すると、診てもらえないのはおかしい、どの医者か、と怒ったけど、医者取り合わず


結局追い出され、仕方なく40分ぐらいかかる家まで帰って


近所のGP(クリニック)に登録と薬をもらおうと、訪ねて行ったが、


なんと。ここでも断られた。理由は



「だって金曜日の午後だから」


二件いったけど、同じ理由で受付が通さない。


「金曜日の午後は、うちは患者をみないことになってるの」


「予約して月曜日以降に来てください」


それまでに頭の血管とかがキレて死んでたらどうするんですか?ときいてみたが、


「さあ。うちの患者じゃないしね」と言われた。


。。。。。。



このとき、日本人の寿命がなんで長いか知った。


イギリスではたぶん、金曜の午後から月曜の朝までが死亡率のピークじゃないかな。


試しに、救急車に電話してみた。


救急車なら、救急病院に搬送してくれるだろう。


しかし、ここでも、今いる場所と状況を、しつこくたずねたあげく、同じ内容の同じ電話を何度も何度も私の携帯にかけ直してきて、


そこにいろと言われたからそこにいるのに、「まだいるんですか」「大丈夫ですか」
「今いる場所は」「今の状況は」とまた同じことをしつこく聞かれ、電話を切ってもまたかけてくる。



もうろうとしていた頭も、これだけ同じことを外国語で反復させられれば、覚醒してくるよ。



それで車がくるのかこないのか、ときいたら、行くといってから、結局1時間たってもこない。しつこく電話をかけてくる救急センター。


電話のバッテリーがなくなりそうなので、もういいですといって


タクシーを拾って、運転手に訳を話した。ら、別の救急病院に連れてってくれた。


結局その病院で、はじめて白人の医者を見た。


受付のインド人はまた横柄で意地悪だったが、


医師がみてくれて、なんとか薬が処方された、というわけ。



フラフラして歩きづらいのに、なんとか1人で4件も病院にまわれるものだなー、


もしかしたら、日本の医療は過保護すぎて、自己治癒力を弱めているかもしれない。


イギリスのように、ある程度放置するか、もうろうとしている患者に目をつぶるな、答えろ、手を上げろ足を上げろと矢継ぎ早に指示すると、意識も戻るのだろう。


さすが、つい150年ぐらい前まで、高熱の子供を水風呂につけたり血をぬいたりという、拷問みたいな治療をしていた国だ。。。。(歴史資料で読んだ覚えが)つい100年前ぐらいまでは食品添加物がひどくて子供の死亡率もピークだった。えーと、パン焼くのになんか変なものいれてたんだよね、パン屋が昔。

今でこそオーガニック先進国になっているが、実は、中国の粉ミルクのこととか、そんなに言えたもんではなかったのである。


18世紀に大陸からフォークが伝わるまでは、手づかみかナイフで突き刺して肉を食っていたんだから、2000年も前から、お箸で優雅にたべていた人種からすると、なんかやっぱりワイルドすぎる。。


この話を翌日トルコ人クラスメートに話したら、笑ってくれないで


「そうか、じゃあ我々がこの国で倒れたら、そのまま死ぬかもってことだな。家族に言っとこう」と


真顔で納得していた。。。。



本当に、この国のアンバランスさときたら。。。。。。


まあ、こういう不穏な状況で個人の責任能力が培われ、強い者だけが生き残り、優れた文化や知的財産が生まれるのかもしれない。


過保護にすると、弱い遺伝子まで助けることになって国力は弱るのかもなあ。。

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