レイズの松井秀喜外野手(37)が6日(日本時間7日)、ニューヨークで行われた古巣ヤンキース戦に「5番・DH」で先発出場し、本塁打性の外野飛球を3連発したが4打数無安打に終わった。思い出の詰まったヤンキースタジアムでの凱旋試合は、2試合連続の無安打で打率は・125までに降下。レイズは1−4で連敗し、ア・リーグ東地区首位から3位に後退した。手厳しいニューヨークメディアからは「JUST OLD(ただの年寄り)」と厳しい声もあがった。
ニューヨークの夜空に高々と上がった打球が、フェンス手前で右翼手のグラブに収まると松井は思わず天を仰いだ。3点を追う9回2死三塁からの4打席目。相手クローザー、ソリアーノの投じた速球を捉えたが、あと3メートル伸びが足りなかった。
ニューヨークの地元放送局のアナウンサーも、「マツイ打ったぁ、バック、バック、バック、取った。2ランかと思われた打球でした」と敵か味方かわからないような絶叫でゲームセットを伝えた。
この日の松井は前日の4番右翼から1番下がって今季初の5番、初のDH。2試合連続で主軸を任されたが、相手先発の若手右腕ノバを仕留めきれなかった。
1打席目に遊ゴロで終わったあとの4回2死三塁からはスライダーを泳ぎながらもすくい上げフェンス前まで運ぶ中飛。6回2死の3打席目もしっかりと振り切ったがあと一伸び足りない大きな左飛に終わった。
「(ノバが)よかった。微妙にずらされた。左飛が一番よかった。芯に当たっていた。内容は悪くない。あとは結果が出てくれればいい」と松井。せっかくの凱旋試合でいい当たりが安打にならず無念そうだった。
内容はともかく、松井の放った安打は今季7試合でわずかに3(2本塁打)。印象的な2発が評価を高めてはいるものの、まだ本来の打撃を取り戻しきれていない。ニューヨークのメディアのほとんどが松井の凱旋を歓迎しているが、それでもお馴染みの手厳しい報道も持ち上がった。
前日、ベテラン左腕アンディ・ペティット(39)に4打数無安打に抑えられた松井についてニューズデイ紙は「ペティットはオールド・マジックを見せたが、松井はただのオールドだ」と報じた。ヤンキース在籍中に、内野ゴロを連発して“ゴロキング”とありがたくないニックネームをつけられた苦い経験もある。
ようやくメジャーに復帰した松井には、辛辣なニューヨークメディアすらも懐かしく感じられるかもしれない。ニューヨーク遠征最終戦(7日=日本時間8日)では、改めて浴びせかけられた洗礼に、発奮の1発で応えてほしいところだ。