19日のヤクルト戦(神宮)、阪神は1—1で迎えた土壇場の9回、6安打6得点を上げてヤクルトの守護神・バーネットを打ち崩し、7—1と勝利した。8回に追いつかれ、さらに突き放した格好だが、和田監督は「追いつかれてもそこで止められた。最近はひっくり返されることが多かったから」とポツリ。5カードぶりの勝ち越しに「今日のゲームを教訓にして粘り強くやっていきます」と今後の戦いを見すえた。
ナインと勝利のハイタッチを交わした和田監督。当たり前のような光景だが、その“儀式”に異論が出ているという。
ハイタッチに“物言い”がついたのは引き分けに終わった16日のDeNA戦(横浜)だ。この日は新井貴、マートンを外して坂、ブラゼルをスタメンで起用。マウンドにはプロ初先発の二神を送り込み、二軍から招集したばかりの鄭もピンチに中継ぎで登板させるなど、大幅に布陣を変えて臨んだが、勝利に結びつくことはなかった。3点差を追いつかれ「引き分けでいいなんて思ってない。展開的にも勝てるゲームだったし、全く満足はしてません」と和田監督も“負けに等しい引き分け”と認めた。
そんな状況に試合後、何でもない光景に違和感を唱える声が上がった。ドローでもグラウンドから引き揚げてくるナインを首脳陣がハイタッチで出迎える。ロッカールームへの道すがらもスタッフと「お疲れさん」と声を掛け合い、次々とハイタッチを交わす。他のチームでも珍しくない光景に違いないが、現場から異論が出た。
「前からやっていることではあるけど、今日の試合は負けに等しいからねえ…」と空気感とのギャップに首をかしげるばかり。さらに別の関係者は「正直、こんなことをやっている場合じゃない。これが1位にいるチームならまだしも、5位のチームがハイタッチをやってるなんて、やっぱりおかしいよ。やめた方がいい」と“儀式”そのものに疑問符をつけた。
ハイタッチはこれまでも勝利した場合だけでなく、引き分けでも行われてきた。もちろん、ナインに笑顔はなく、慣習として続いてきただけのこと。スタッフ全員が参加しているわけでもないのだが、それすら今の阪神では不自然になったということか…。
「引き分けでのハイタッチ」にこんな声が聞かれるのも、チームがまとまり切れていない証拠に違いない。低迷が続けば、こういった不満がますます噴出しかねない。勝利のハイタッチを連発させるしか特効薬はない。