魔法少女リリカルなのは ~一般人な転生者~ (奇跡的な人間)
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学校に動物連れてきていいのか?
学校に着き、上履きに履き替え自分の教室に向かう。ほとんどの小学生は友人と仲良くしゃべりながら歩いている。朝から元気がいいな。俺は朝に弱いから元気な奴らが羨ましい。
「おっ、カズヤおはよう!」
「ん?…宏樹(ひろき)か、おはよう。」
長谷川(はせがわ)宏樹。いつも元気はつらつな俺のダチだ。一年二年の頃も同じクラスだったので、こいつがいると分かったときは気が楽になったのを覚えている。
「何かいつもより騒がしいな。」
「ああ。何でも高町がフェレットつれてきてるみたいなんだ。だからみんなはしゃいでるっぽい」
「うちの校則にペットの持ち込みOKみたいのってあったっけ?」
「まっ、そん時は自業自得ってこったろ?」
「だな」
こいつは小学校三年にしては精神年齢が高いので結構話が合う。取り敢えず俺は教室内に入り、不本意ながらも高町の右斜め前の席に座る。
「なのは、そのフェレットどうしたのよ。昨日病院に預けたはずよ」
「え~と……」
高町よ。つれてきたのに考えてなかったのか?バニングスとか月村あたりはまず聞いてくると思うだろうに。
「アリサちゃん、そのねやっぱり気になって様子見に行ったんだ。そしたら逃げ出してたみたいで。だからまだ体調も完全じゃないからうちにつれていったんだ」
だったら学校に連れてくるな。
「なにやってんのよアンタ!」
バニングス、心配なのは大変理解しているが周りに迷惑がかかるだろう?もう少しボリュームを下げて言え。クラス中に響き渡ってるぞ。
「昨日病院の近くで事故があったのよ。危ないじゃないの!」
「ごめんねアリサちゃん」
「別にアンタが無事ならいいわよ。……心配するじゃない」
バニングスは高町から顔を逸らしながらぶっきらぼうに言う。友人思いのいいやつだな。けどさ、急に大声を出すなよまったく。ただでさえうるさいんだよこのクラス。主に神羅のせいで。リーダー格のおまえが騒いでどうする。
「ほんとごめんね」
「いいわよ別に」
「そうだよなのはちゃん。アリサちゃんはただ心配しちゃっただけだから」
「ちょっすずかそんなことは言わなくていいの!」
『〔ねぇマスター、あれがツンデレなの?〕』
「〔ああ、一種の照れ隠しってやつだな。〕」
『〔始めて生で見たよ…〕』
「〔だろうな。それとアスナ、校内または高町・神羅がいるときは念話は控えてくれ。魔導師だって勘付かれる可能性がある〕」
『〔うん、分かった〕』
アスナの待機状態はネックレスである為、服の中に入れておけばバレることはない。見つかってもアクセサリーでやり過ごせるだろうし、高町は勘が鋭いとは到底思えないので大丈夫だろう。しかし問題なのはそこにいるユーノ・スクライアだ。こいつは補助系の魔法を得意とする為俺がアスナを所持していること…更には俺が魔力リミッターをつけていることまでバレるかもしれない。
要注意だな、と結論づけると神羅の声が聞こえた。
「アリサ安心しろよ。お前たちは俺が守ってやるからさ」
本日も神羅のナルシ発言が臨界点突破もしくは天元突破しているな。いやまあ実際、魔力量SSSだったら守れるだろうけどさ。高町・月村の顔は引き攣ってるし、バニングスに至っては露骨に嫌な顔してるぞ?それとユーノ、お前はどうした?神羅の顔見た途端怯え出したぞ?デバイスつきつけられて「俺のなのはに手を出すな」とか言われたのか?
「(まあ助けてやんないけど)」
『〔マスターって薄情とかって言われた事ない?〕』
「〔前世で時々言われた。〕」
許せユーノ、これで最後だ。いや、最初がないのだけれども。
「カズヤ、今日の新聞読んだか?」
「新聞?……ああ、海鳴で起きている謎の怪死事件だっけ?」
「ああ。一体どの凶器で殺したのかも謎。まるで呪い殺されたみたいな死を遂げてんだよ。」
「けどさ、その死んだ奴等ってみんな暴力団の連中だろ?ヤクとかで死んだのかもしれないし、そこまで不思議に思えないんだけど。」
「だよな~。ただな、最近妙な噂聞くんだよ」
「妙な噂?」
俺はオウム返しに聞く。
「ああ。カズヤは数年前に廃ビルになったビル知っているか?」
「ああ。買い物のときに見かける。あの薄気味悪いやつだろ?」
「ああ。そこに幽霊がでるらしいぜ」
「まさかその幽霊が殺された奴等を恨んで地縛霊化して殺したと?」
「………」
「………」
「「まっさか~」」
「そんな漫画やアニメみたいな話ねぇだろ?」
「だよな~。そんなオカルトねぇっての。」
それから暫く、俺は宏樹と楽しく談笑していた。
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