桐光・松井フルパワーで奪三振ショー
2012年08月20日 12時00分
<第94回全国高校野球選手権大会第11日(19日)>桐光学園(神奈川)4-1浦添商(沖縄)
桐光学園が春夏通じて初のベスト8入りを決めた。立役者は1、2回戦で計41奪三振の快投を見せた2年生左腕エース・松井。この日も圧巻の三振ショーを披露。3試合連続2桁となる12奪三振で4安打1失点と完投した。
浦添商の粘り強い打撃もあり、ここまで続けてきた毎回奪三振の記録はいきなり初回に「18」で途切れた。それでも「三振が取れないので、打たせて取る投球に切り替えて行ったら調子が出てきた」と、3回からは7回を除き毎回三振を取りまくった。
甲子園の観衆が度肝を抜かれたのは8回だ。先頭の照屋に得意のスライダーを本塁打されると「悔しかったのでギアを入れた。100%を120%にしてフルパワーで気持ちをぶつけた」(松井)。最速145キロの直球で押しまくり、後続を3者連続空振り三振に切った。
3試合で計53奪三振。あと1つで1998年の松坂大輔(横浜)、2006年の田中将大(駒大苫小牧)の1大会通算最多奪三振の54に並ぶ。このペースで順調に勝ち上がれば1958年の板東英二(徳島商)の83を塗り替えるが、松井は「板東さんの新記録? なるべく(新聞で)見たり、考えないようにしている」と気にするそぶりはない。
次の準々決勝の相手、強打の光星学院について「レベルの高い打者がいるチーム。思い切って勝負に臨みたい」ときっぱり。松井の甲子園での怪物伝説はまだ序章にすぎない。