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宮城沖、海溝断層にずれ 海洋機構、震災で初確認
東日本大震災で、これまで地震によるずれが生じないと考えられてきた海溝のプレート(岩板)の沈み始める場所でも断層が動いてずれていたことを、海洋研究開発機構のチームが確認し、19日付の英科学誌電子版に発表した。 今回の地震による地中のずれが詳細に分かったのは初めて。ずれは海底に達しており、巨大地震発生のメカニズム解明につながる成果という。 チームは、震災後の昨年3月と10〜11月、宮城県沖約250キロで、日本海溝周辺の海底や地下構造を音波を使って探査。1999年に調べたデータと比較した。 震災前は、海溝の近くの海底は堆積物がたまり平らだったが、震災後は盛り上がっていた。地下を詳しく分析したところ、プレート境界の深部で発生した地震によるずれは、枝分かれした複数の断層に伝わり、海溝の海底に達していた。 プレートの沈み込む付近では、プレート同士はくっつきにくいとされ、断層が地震の時に一気にずれることはないと考えられていた。海溝近くにまでずれが拡大したことが、巨大な津波の一因とみられる。 チームの小平秀一上席研究員は「このような巨大地震が何度も繰り返しているとみられる跡もあった。日本海溝のほか、南海トラフでも調査が必要だ」としている。
2012年08月20日月曜日
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