教育長以外にも被害拡大の恐れ
2012年08月19日 18時00分
滋賀・大津市教育委員会の沢村憲次教育長(65)が15日午前7時50分ごろ、大津市役所の教育長室へ侵入してきた男に突然襲撃され、ハンマーで殴りつけられた。幸い右目の上を切る軽傷。男は埼玉在住の私立大1年生(19)で、駆け付けた職員に取り押さえられ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
大津署の取り調べに対し男は、中2男子いじめ自殺に関する沢村教育長の対応への不満を口にしており、「教育長が真実を隠していると思い、殺そうと思った」などと供述している。逮捕時は長さ約30センチの金属製ハンマーと、絞殺するため用意したと思われる針金を所持していた。
いじめ自殺問題でずさんな対応を続ける沢村教育長と大津市教委への憤りが、男を凶行に走らせた格好。不穏な動きは教育長の自宅や学校周辺にも及んでいる。
15日午後1時35分ごろ、同教委に「教育長の家に爆弾を仕掛けに行く」と脅迫電話があり、大津署が自宅周辺のパトロールを強化。自殺した生徒が通っていた中学校校長の自宅付近でも、不審な車が止まっているのを近隣住民が目撃し、パトカーが見回りを行った。この2日前の13日には、中学校の1階から3階の窓ガラスが何者かに割られる事件も起きた。
市教委や学校側が誠意ある対応を示さない限り、騒ぎは収まらないのかもしれない。