日本代表FW香川真司(23=マンチェスター・ユナイテッド)が“戦犯”となった。マンU移籍後、初の凱旋試合となったベネズエラ戦(15日)で、香川は絶好機でシュートを外し、失点の原因をつくるなど、散々な出来。ビッグクラブ移籍の重圧を克服できず、ザックジャパンでスタメン落ちの危機を迎えそうだ。
「課題が残り、収穫がないゲームだった…」。ガックリとうなだれた香川の姿が、すべてを物語っていた。「マンUの香川」として周囲の見る目が厳しくなったのは自覚していたが、何より必要としていた「結果」を出すことができなかった。
香川は前半からトラップミスやパスミスを繰り返し、MF本田とのワンツーも続かない。後半17分には相手に不用意な形でボールを奪われ、カウンターからゴールにつなげられた。「イージーなミスをしてしまった。代表ではやってはいけないこと」と肩を落とした。
また後半30分には右からのクロスに反応。あとはゴールに勝ち越し弾を叩き込むだけのはずが、まさかのミスキック。これにはMF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)も思わず、頭を抱え込んだ。香川も「難しいボールではあったけど、期待されてる中で結果が残せなかったのが悔しい…」と声を絞り出すのがやっとだった。
香川本人が「代表に来て、周囲の見る目も変わる」と明かしていたように、世界屈指のビッグクラブ移籍による重圧があったことは明らか。その焦りがミスとなり、日本の攻撃を停滞させてしまった。
これまでも香川は日本代表ではあまり活躍できていない。一方でザッケローニ監督はチームの攻撃に連動性を求めている。このため、エースナンバーの背番号10とはいえ、今後も足を引っ張るプレーを続けるようであれば、指揮官がスタメンを剥奪しかねない状況だ。
名門マンUでレギュラーとして常時試合に出れるかは微妙な情勢。今後は体調維持とともに試合勘の低下も懸念されており、日本代表での立場もいよいよ危うくなってきそうだ。