- とりあえず書いてみました。キャラ出てないけど。
- 高くそびえる木々の隙間から零れる木漏れ日を肌に感じながら、歩き慣れない野道をただ感覚的に歩いていく。身体が、というか全てに置いて弱い僕にとっては苦行である。
聞こえるのは鳥の鳴き声に虫の声。そして時たま足元から鳴る木の枝を踏みしめる小気味のいい音だ。
空気だってとても新鮮だ。東京の排気ガスに汚れ、顔をしかめながら肺にいれるような空気ではなく自然に肺へと入っていくような綺麗な空気。
ザシュザシュとただただ進む。
ただやはり野道というだけあって足元は全くといっていいほど安定していない。ボッコボコだ。
そこから更に歩いて30分程だろうか、とても綺麗な草原にたどり着いた。
そこにはただ草原があるだけで、それ以外にはなんにもない。
胸に込み上げたのはまるでこの世界を自分のものにしたような満腹感と全てから解放されたような解放感。
“僕”は先程までの疲れさえ忘れ、その草原の真ん中辺りまで走ってそこで行きを思いっきり吐き、
吸い、
そして―――――。
「ここは一体どこなんでしょうかー!?」
当初の疑問をぶつけてみた。
◆
時は少し遡る。
『おい、蓮坊』
白髪に日本人離れした端正な顔立ち。コレで自称90才を名乗るには若々しすぎる。そしていつも喰えないような笑みをニヤニヤと浮かべながらも、その声にはいつもただならぬ厳かさと“ナニか”を感じさせる声で、僕の祖父、命樂命(めいらくみこと)は言葉を発した。
『オメェ、昔いつも言ってたよな、“母さんと父さんが消えた理由探しに行く”ってよ』
その言葉に僕、命樂蓮斗(めいらくれんと)は今までせっせと洗い物のために動かしていた手と、洗い流すための水を止めて口を動かす。
「はは、じいちゃん懐かしいこと言うね。あー、うんまぁ確かに昔はそんなこと言ってたけど、ね。僕こんなんだし。今の状態だって満更じゃないしね」
そこまでいって、また手を動かす。
誤魔化すように、話をそらすように。
「――――オイオイオイ、蓮坊。それがテメェの悪い癖だぜ。実に芳醇じゃねぇよ。なぁ?要らん心配してくれんなよ?」
―――まぁ、そんな事は祖父にはバレてしまうわけで。
「お前はよ、人間として良くできてるけど、ガキとしてはクソもできてねぇんだよ。できた人間気取ることなんていつだってできんだぜ?もったいねぇよなぁ」
そう言って何が楽しいのかカカッと快活に笑った。
僕は息が詰まりそうなだけだが。
「――――おい、蓮坊よォ。吐けよ。テメェは家事でも勉強でもなく何がしてぇんだよ?えぇ?」
今度こそ、息が詰まる。
何故だ。祖父は何が言いたい。いつもはニヤニヤと此方を“観”ながらもなにもしてこない不干渉を気取ってる癖に、今回はなんなのだ。温厚な僕でもイラッと来るぞ。
「…………何がしたい?別にないよ。行方不明の母と父の事だって、どこに何があるなんてカケラも分からないし」
少し嫌なオーラをわざと出しながら言う。
するとまた祖父は快活に笑った。
「あぁ?なに言ってんだよ?カケラぐれぇのことなら分かってるぜ?蓮坊よォ」
「…………………は?」
待て。いまこのジジイは何をいっているんだろう。この16年間、僕は悶々とその事をひた隠しにしながらさりげなく昔の両親の知人などを当たって聞いてもなんの情報を得られなかったことを、この人は十四年間傍にいたこの人はそれを、隠してたとでも言うんだろうか。
そう思うと直後に沸いてきたのは脳髄を貫く様な怒りだった。
手に泡がついている事も、蛇口の水を止めてないことももうどうだって良く、僕は祖父に掴み掛かった。
「おおっと。おいおいジジィを乱暴に扱うもんじゃねぇぞ蓮坊」
「五月蝿い…………!なんでそんなこと黙ってたんだよ……!じいちゃん」
早口で相手の言葉を遮るように捲し立てる。
「当たりめぇだろ?あんなちっせぇころの蓮坊にんなこと教えたらどうなるか分かったもんじゃねぇしよ」
「だ!だからって―――」
「応。“だから”今言ってやってんだ?頭働かせな蓮坊。意味分かるか?オイ」
トンと、頭を小突かれる。
そして意味を、理解した。
不意に目の前には財布と地図。後はリュックをどんと置かれた。
「え」
なにこの超展開。誰が予想したの?
「行くか行かねぇかはテメェで決めろ。ただ、生半可な気持ちで行くつもりなら止めろ。知りてぇか?テメェがどうして生まれて、どうして“そう”なのかが、そしてテメェの両親がどうして消えたかを、な」
「―――――――。」
知りたい。
心はそう叫んでいた。
でもソレと同じくらいに、
―――じいちゃんを一人になんて、出来ない。
なんて、考えてる自分がいた。
「ヘタなこと考えんな。テメェはテメェの事だけを考えてりゃいい。俺はお前いなくても生きてけっからな。いいか?お前は弱い。ソレもとんでもねぇくらい弱い。―――でもお前はやれるやつだ。俺はソレを知ってるし理解してんだよ。ガキならガキらしくしてろ。さっきのキレ方なんて見物だったぜ?」
カッカッカ。と、また祖父は笑った。
「さぁ、選べ。行くか行かねぇか、だ」
片手には先程の荷物。もう片方には、なにもない。あるのは祖父の堅そうな掌だ。その手に平にはきっといつも通りが有ることは、容易に理解できた。
そして僕は―――――。
「カカッ。蓮坊らしいなぁオイ」
「うん。そうかもね。ありがとう。んじゃ僕はお言葉に甘えて行ってくるよ」
「応。行ってこいや」
そして僕は、“片方の手からリュックを受け取り、もう片方のじいちゃんの手をしっかりと握り締めた”
「選ぶことなんて出来ないよ。なんてったって自慢のじいちゃんだからね。しかも、さっきから話が重いよ。帰ってこれない訳でもあるまいし、行って探して見付からなかったら、すぐ帰ってくるよ」
「………………カカッ!まぁいくだけ行ってみりゃよォ分かる」
あれ?じいちゃんの反応がやけに渋い。
まぁ、そんな気にするようなことでもないっか。
「それじゃバスにも遅れそうだし僕そろそろ行ってくるよ!」
「応」
その会話を最後に、僕は最初の場面までに行くことになった。
◆
「と、言うかなぁ……地図見失っちゃったんだよなぁ」
そうなのである。バスを乗り継ぎ乗り継ぎたどり着いたのはこぢんまりとした山道。祖父からの地図曰くそこにナニかがあるらしくしばらくその一本道を歩いていたのだが、足を進めると段々と辺りが霧に包まれ―――霧が晴れたときにはここだった。
「ケータイは……圏外だよなぁ。うーん困った」
とりあえず止まっていてもなにもないから足を進めることに。
しばらく道らしからぬ道を歩いているといつの間にか人が歩いて道になったような未知が見付かりそこを歩いていく。
「ん………?」
そこで、ピタリと足を止める。
身体が弱く意思も強くなくとりわけ駄目な僕でも長所は有るには有って、それは視力が良いことだ。
目を凝らしてよく見ると、向こうの道の真ん中で何か――黒いごみ袋にも見えそうな何かが蠢いていた。
「え、なにあれ……未確認生物?」
答えるものは居ないが、そう考えるとちょっと興奮してきた。
パシャッ。
軽いシャッター音。とりあえず写メる事位は許してほしい。
しかし、その音と光にソレは反応した。
体をおぼしき部分から触手のような物を何本も出し、ソレによって移動しこちらに来る。
「う、うわぁぁぁああああああっ!?こっちキタァァァ!?」
逃げる。ただ逃げた。来た道かどうかも分からぬままに。
「ギィ、ヤ゛ァァァァァァ」
後ろから聞こえたのは生々しい叫び声。ケータイのインカメラ機能を駆使しそちらを見ると―――そこには大口を開けた“化物”がいた。
「うわぁぁぁあ!?キモいいいい!?」
体力も限界なのに更にスピードアップしようと脚に力を込めた瞬間だった。
ドッッ。
鳩尾に衝撃。そこを見るとそこには伸びた触手が。
ハッキリ言って、この攻撃自体はあまりダメージの無いもので、常人ならまた立って歩き出すことだって可能なはずだ。
―――――常人なら。
しかし。この少年命樂蓮斗からしてみればこの攻撃だって致命傷なのだ。なにせ身体がとんでもなく弱いのだ。ひ弱なんて言うレベルではない。
「が、あ、ぁぁ……?」
その一撃により一瞬で胃からナニかが込み上げソレを吐き出す。
―――これは、終わった。
ままならない状況でこそ、脳が冷静に働いた。
―――この後どうなるか分からない。でも、きっとそう言うのが待っているってことはわかる。
触手が四肢に巻き付いてくる。
――あぁ、なんで僕はこんな弱い?貧弱だ。
胴体へ、首へと触手が延びてくる。
――もっと力があれば、もっと強ければ。
そう心の中で思った瞬間、
【――――――――――】
何かが聞こえた。
「え?」
あまりの出来事に声を漏らす。
それは今の【ナニか】に漏らした言葉ではない。身体中に巻き付いていた触手が急に力を失い僕から外れたことにある。
ズドォン……。
砂煙を残して静かに倒れるナニかと、その後ろから出てきた存在に更なる驚愕を抱く。
―――女性だ。
背は残念ながら僕より高くて女性特有の部分もメリハリがついている。目を引くのは服装だ。東京等では見られない様なファッションをしていて、とても派手な格好をしている。
「………………」
「どうも。ごめん遊ばせ」
ハッ。あまりの出来事に沈黙していると相手側から声が掛かってきた。
「どどどどどうも!!えっと!その、あの!た、助けて頂いてありがとうございました!ぼ、僕命樂蓮斗と申します」
鳩尾にまだ感じる苦しさを一時忘却し、手をぶんぶんと振りナニかを伝えようとする。何を伝えたいかはわからないけど。
そうすると相手側からクスクスと――扇子のせいで口元は見えないが――上品な笑い声が聞こえた。
「いいんですのよ?慌てなくて。今貴方が視た事はとてもじゃないでしょうけど許容するには時間を労しますわよね」
その声と共に、こちらの手を優しくギュッと握ってくれる。まるで白魚のような繊細な手に包まれてまるで毛布にくるまれたような暖かさをこちらに与えてくれる。
先程からの手の震えも自然と止まっていた。
「あ、ああ………その……えぇと……あれ?」
なんだろう。なんだか急に眠く――――。
「―――――ここは幻想郷。全てを受け入れる忘却の国。ここは全てを受け入れますわ。もちろんそれはあなたも例外ではありません。しかし、貴方はそれでも弱すぎる。全てを受け入れてもらい、“全てを受け入れる”には、弱すぎる」
女性の声も姿も、朧気にしか理解できない。
幻想郷?なんだろうソレ。
「だからここで強くなりなさい。目一杯の苦労と歓喜と悲しみと苦しみと怒りを味わいなさい。―――それが、“あの人”からの頼みですわ」
あの人って――――?
そこで僕の意識は完全に落ちた。
「さて、とりあえずこの子どうしましょうか。紅魔館――は、強くなるには手っ取り早いけど、この子にはまだまだ早いわよねぇ。じゃあ、もうあそこで良いかしら……?」
口元に畳んだ扇子を持っていきしばらく思考に更ける。
「ま、大丈夫でしょうね。あの子だし。うん。そうよね」
そう言うと、空間に歪な裂け目が生じる。
とても奇怪だ。悪く言えば気持ち悪い。
そこに少年をひょいと放り込み。自らもその中に身を投じる。
「あら?この中見たいの?クスッ。でもここは乙女の領域。ヒ・ミ・ツよ」
乙女って歳じゃな(ブツッ
見たいな。予定的にはテンプレの如く霊夢さんのところへドナドナ。こき使われます。
お願いですからなんか書き方に関するダメ出しをお願いします。悦びます。 - 2012年 08月19日 (日) 12時18分
コメント
>レイ・レウ・レルフさん
あ、いえ。かなりごもっともです。これじゃ東方云々の前に素人同然ですね。稚拙なものを見せてしまいました、すいません。
今から書き直してきますぜ!きっと言うのも嫌でしたよね……すいません。
でも、ありがとうございました!
ではっ!!
あ、いえ。かなりごもっともです。これじゃ東方云々の前に素人同然ですね。稚拙なものを見せてしまいました、すいません。
今から書き直してきますぜ!きっと言うのも嫌でしたよね……すいません。
でも、ありがとうございました!
ではっ!!
投稿者:オベリスク
[ 2012年 08月19日 (日) 20時28分 ]
読みましたよ~
初心者の感想ですが
横棒ちょっと多い気がします
会話文中にも沢山使っていますが
何を意味しているのでしょうか?
沈黙なのか、語尾を伸ばしているのか
あと、致命的に貧弱だと言うのに
触手から開放された後の状態が結構余裕が感じられます
逃げるために体力の限界を超えるほどに走ろうとしたのに
息切れも何もなく会話ができるのは少しだけ不自然気がしました
本当に長文ですいません…
無視しても構わないです
初心者の感想ですが
横棒ちょっと多い気がします
会話文中にも沢山使っていますが
何を意味しているのでしょうか?
沈黙なのか、語尾を伸ばしているのか
あと、致命的に貧弱だと言うのに
触手から開放された後の状態が結構余裕が感じられます
逃げるために体力の限界を超えるほどに走ろうとしたのに
息切れも何もなく会話ができるのは少しだけ不自然気がしました
本当に長文ですいません…
無視しても構わないです
投稿者:レイ・レウ・レルフ
[ 2012年 08月19日 (日) 19時26分 ]
だからすぐ消した方がいいかなぁ…
下手したらアカウントごと消されますし…
感想としては…まあ良いんじゃないですかね(適当)
たいていのことはレイ・レウ・レルフ様が言ってくれてますし
個人的には点々もやはらと多く感じたかなぁ…
あと『…』にしても『―』にしても2つで一個セットなんで奇数になるのは実際だと文章使いとしておかしいそうですよ
まあ個人的には問題なんですけどねぇw