ファンの子どもたちから質問を浴びる(左から)藤本、永井、田口、ダニエル=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは19日、トヨタスポーツセンターでファンクラブ会員のための年に一度のサッカー教室を行い、抽選で選ばれた小学生約50人と触れ合った。0−5で大敗した前日のG大阪戦で先発した選手のうち、練習試合に参加したDF増川と治療に専念したMFダニルソン以外の9人がクールダウンを兼ねて参加。9人は子どもたちの笑顔に接し、巻き返しへの思いを新たにした。
歴史的敗戦の一夜が明け、消沈していたイレブンを待っていたのは、子どもたちの笑顔だった。サッカー教室は、主力組の練習時間に合わせてメーングラウンドで行われ、3組に分かれて約1時間、ミニゲームなどで触れ合った。ロンドン五輪代表FW永井は締めのあいさつを任され「みんなもオリンピックに出てください」と演説。FKが上達するコツを問われた藤本は、「ゴールに服を掛けて、それを落とすように練習して」と、自身がやってきた練習法を披露した。
20周年記念試合と銘打ち、今季初めて3万人以上の観衆を集めた前日のG大阪戦。試合後は激しいブーイングと罵声を浴び、スタジアムに駆けつけた子どもたちに怖い思いをさせてしまった。それだけに、目の前で目を輝かせてボールを追う子どもたちの前で、沈んだ顔は見せられない。9人は一緒になってはしゃぎながら、プロとしてやるべきことを再確認。選手会長のMF小川は「今日は子どもたちが楽しそうにやっている姿を見ながら、もっともっとやらないといけないと、もう一度気持ちを入れ直した」と語った。
藤本は子どもたちに前向きな力をもらいつつ、「それと同時に、昨日は本当に申し訳ないという思いが強くなった」と神妙に話した。本来やるべきことは、ピッチの上でのプレーと勝利で子どもたちを笑顔にすること。リーグ戦残り12試合は、失った勝ち点とプライドを取り戻すための戦いとなる。 (宮崎厚志)
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