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【芸能・社会】

渡辺謙で「許されざる者」 アカデミー賞作品を邦画リメーク

2012年8月20日 紙面から

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 1993年に日本公開されたクリント・イーストウッド(82)が監督・主演した「許されざる者」が、渡辺謙(52)主演の時代劇大作としてリメークされることになった。製作・配給のワーナー・ブラザース映画が19日、発表した。米アカデミー賞最優秀作品賞作品が、邦画としてリメークされるのは初めて。9月下旬にクランクイン、北海道でオールロケ、来秋公開の予定だ。

 このビッグプロジェクトは、「フラガール」「悪人」のヒットで知られる李相日監督(38)が発案した。オリジナルに心酔しているという李監督。時代劇初挑戦となる脚本を書き、昨年夏にワーナーを通じて、イーストウッドにリメーク化を打診したところ、快諾を得た。イーストウッドは製作サイドに「『硫黄島からの手紙』で濃密な仕事をした良き友である渡辺謙氏と李監督が、このたび、日本の『許されざる者』製作にあたりタッグを組むと聞いて大変光栄に思う」とのコメントを寄せた。

 渡辺は「時代物をきちんとやりたい」と企画段階から参加。オリジナルでイーストウッドが演じた伝説の“アウトロー”役に臨む。03年「ラストサムライ」以来となる本格的な殺陣、乗馬アクションにも意欲満々で、「映画界での父とも思っているクリントの代表作をリメークするのは大きな挑戦」と意気込んでいる。

 李監督は、オリジナルと同じ1880年に時代設定し、舞台を明治時代初期の蝦夷(えぞ)開拓期に置き換えて脚本を執筆した。渡辺演じる主人公は旧江戸幕府側の残党の釜田十兵衛。幕府の刺客として暗躍、五稜郭での激戦後に姿を消し、人里離れた荒れ地でアイヌ民族の妻と子供と静かに暮らしていた。しかし、貧困の末、再び賞金稼ぎとして戦いに身を投じることになる…。

 オリジナルと同様に正義VS悪の単純な図式ではない骨太なストーリーに加え、刀と銃による迫力あるアクションも見どころになる。渡辺と柄本明(63)、佐藤浩市(51)との競演も注目される。「北海道の大地で格闘し、僕たちなりの『許されざる者』を積み上げていきたい」渡辺は燃えている。

 ▽李相日監督の話 謙さん主演でイーストウッドに打診、大それた企画を快諾してくれ感謝している。主人公は謙さん以外考えられなかった。正義感だけでない奥底に潜む暴力性、刀で人を殺す男の業をどう引き出してくれるか楽しみ。今はオリジナルにではなく、自分のやるべき作品に対するプレッシャーで満タンです。

 ▽佐藤浩市の話 一読してオリジナルの強さを感じたのは、脚本に李監督の魂が入っていたからだと思う。後は我々が役に魂を入れ、恥ずかしくない作品として劇場に届けたい。

 ▽柄本明の話 今この時代に本作を送り出すものとして興奮を抑えきれない。渡辺さん、佐藤さん、李監督、本物のスタッフが作り出す本物の映画の完成を楽しみにお待ち下さい。

 <「許されざる者」>ハリウッド史上に残る傑作西部劇。93年の米アカデミー作品賞・監督賞など主要4部門受賞。列車強盗などで悪名をとどろかせていたアウトローのマニー(クリント・イーストウッド)。今では銃を捨て、片田舎で農場を営み密かに暮らしていたが、生活苦から賞金稼ぎを再開することに…。かつての相棒(モーガン・フリーマン)とともに、悪徳保安官(ジーン・ハックマン)の牛耳る街へ向かう。

 

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