医師を目指す高校生が医師の仕事や地域医療の実態を学ぶ「医療チュートリアル体験」（県、県教委主催）が１６日、県内５病院で始まった。地域医療やへき地医療を担う１０病院で１７日まで行われる。

　地域医療に携わる医師を増やそうと、県が０５年度から夏休み期間に行っている。今年度は９６人が参加した。

　管轄する３町村の高齢化率が３７・４％と、高齢化が進む外ケ浜町国民健康保険外ケ浜中央病院（外ケ浜町）では、医師や理学療法士の指導の下、超音波検査（エコー）や内視鏡、老人保健施設のリハビリ設備などを体験した。

　エコーでは生徒が被験者になり、別の生徒が実際に機器を体に当てて心臓やすい臓、甲状腺などをモニターで確認した。指導した中野朝子医師が「胆石やすい臓がんなどエコーじゃないと分からない病気もある。エコーは患者に痛い思いをさせずに診断できる」などと説明。生徒は興味深そうに見守っていた。

　エコーの被験者になった青森高３年、板澤鋼絹さん（１７）は「自分の臓器がはっきり見えたので驚いた。地域医療は全部の医療を賄っているところがすごい。医師になったらぜひ県内の病院で勤務したい」と話した。【酒造唯】