中国:反日デモ、成都で数千人…警官、群衆拘束せず
毎日新聞 2012年08月19日 21時25分(最終更新 08月19日 22時49分)
【成都(中国四川省)工藤哲】中国各地で反日デモが呼びかけられた19日、内陸部の主要都市・四川省成都では、中国版ツイッター「微博」などを通じた呼びかけに応じた数千人がデモに参加した。中国当局は武装警官ら数百人を動員したが、群衆を拘束せず、デモを事実上容認することで、市民の間で高まる反日機運を「ガス抜き」した形だ。
◇「整然」2時間で収束
成都市中心部の紅星広場周辺には、19日早朝から非常線が張られた。公安当局の大型輸送バス数台が並び、数メートルおきに警官が配置された。記者が広場を撮影すると「何を撮ったんだ」と警官が駆け寄り、写真削除を命じられた。
午前10時(日本時間同11時)過ぎ、広場前で数人の若者が中国国旗を掲げ、デモ行進を始めた。これに応じる形で次々と集まった群衆が拍手をしながらデモに加わり、瞬時に1000人以上に膨れ上がった。沿道にも見物人があふれ「来たぞ」「やった」という声が上がった。デモを批判する声は聞かれず、成都は経済開発で沿岸部に後れをとる地域で、参加者は憂さ晴らしする気分を共有しているかのようだ。