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特集 第2部 編集長インタビュー 増田宗昭社長兼CEO |
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プレミアムエイジを成長エンジンに |
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[2009-12-28 01:20:07] |
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特集 第2部 編集長インタビューEditor in chief interview/プレミアムエイジを成長エンジンに カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長兼CEO 増田宗昭
TSUTAYAを全国に展開、ディレクTVへのチャレンジなど、ベンチャーの雄としてその名を馳せるカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗昭社長。時代の変化をいち早く見抜き、ツタヤオンライン、Tポイントなどデータベースマーケティングに大きく舵を切っている。そして若者からプレミアムエイジに狙いを定めた。創業から企画会社を標榜する増田社長の溢れでるアイデアは涸れることはない。根っからの企画マンがCCCの未来戦略を熱く語る。(聞き手は本誌編集長 徳永卓三)
データベースマーケ ティング会社を創る
問 まずはCCCとしてTSUTAYA店舗を中心にさまざまな事業を展開されていますが、実際にどういう会社を目指しておられるのですか。
増田 結論からいいますと、データベースマーケティングの世界を代表する会社なりたいと考えています。データベースマーケティングとよくいうのですが、実際やっている企業は少ないです。CCCというのはTSUTAYAをやっている会社でもなく、Tポイントをやっている会社でもなく、データベースマーケティングのプラットホームをやっている会社ということです。
問 なるほど。それは既に存在するのですか、それとも増田さんが世界のどこにもない会社をつくるのですか。
増田 私達がつくるのです。
問 そうした構想は先般、企業の組織を改革されましたが、そのときに思いついたのですか。それとも前々から考えておられたのですか。
増田 創業して間もない頃からです。しかしそんなことを言っても理解してもらえないので、言わなかっただけです。
問 ではCCCにはどんなデータベースがあるのでしょうか。
増田 CCCというグループの過去・現在・未来、それぞれの事業会社の過
去・現在・未来すべてを、データベースをもとにつくっています。実は20年前からコンピューターを導入してデータベースの構築をしていたのです。それがようやく今生きて来たということです。
プレミアムエイジを 成長のエンジンに
問 ところでリーマン・ショック以来の時代の変化をどのように捉えておられますか。
増田 リーマン・ショック以前に私が一番問題視しているのは日本の人口ピラミッドです。団塊の世代から日本の人口ピラミッドは崩れてきているのです。戦後重要な年が三つあります。まずは1970年。この年は団塊の世代が安い労働力として企業に雇われた年です。このとき日本経済は成長エンジンの片方を得ました。次は80年です。労働力だった人がお客になった年で、このころファミリーレストラン、コンビニエンスストアなどありとあらゆる業種が生まれました。そして90年です。金持ちとなりブランド文化が始まりました。同時に団塊ジュニアが就職、安い労働力も提供されました。この時お客と安い労働力を手に入れた日本経済のピークで、これ以降、日本経済は下降曲線をたどっているのです。リーマン・ショックは右肩下がりを加速しただけで、実は90年から日本経済は活力を少しずつ失ってきています。つまり90年で日本経済は終わったのです。それなのにこの構造変化を理解しない人たちが前年比といって騒いでいるだけです。要は少子高齢化社会に合わせて構造が変わらないといけません。
問 CCCはどのように変わっていくのですか。
増田 我々はこの団塊世代の人々を成長エンジンにしようと考えています。お金も時間もある人たちです。若者を相手にしていたら毎年1%ずつ減っていってしまいます。そこでプレミアムエイジを獲得しようと思っています。
50代以上の客を2から3割に増やせばまた可能性があります。
問 ではこれからのTSUTAYAは団塊の世代を対象にするということですか。
増田 今までのTSUTAYAとブランドが曖昧になるので、このプレミアムエイジの人たちのTSUTAYAをつくろうとしているのです。日本を変えるのはこの人たちですから。
代官山プロジェクト
問 具体的にどのようなことをお考えですか。
増田 代官山プロジェクトをスタートさせています。旧江戸屋敷や大使館の集まる代官山にプレミアムエイジ向けの新しいTSUTAYAをつくろうと考えています。私達の本気度を示すためにもこれはというものを創りたいと考えています。
問 それはいいですね。どんなTSUTAYAになるのですか。
増田 まだ構想段階ですが、いろいろ考えています。代官山店につくって欲しいものを調査したところ一番多かったのがカフェでした。続いて本。そこで図書館と大人のカフェをつくろうと思っています。その図書館にはカークラブマガジンの創刊号から最新号までが全部揃う。2階は音楽のフロアで、ビートルズが使っていた本物の楽譜を飾るなんてことも考えています。アミューズの大里洋吉さんや、水野誠一さんにアドバイザーとして入ってもらっています。
問 いいですね。私も代官山に住みたいです。これはいつ完成するのですか。
増田 カミングスーンというところですね。これからの日本の主役はプレミアムエイジの人たちだと思うので早く完成したいと思っています。
Tポイント戦略
問 ところで昨今話題となっているTポイントカードについて伺います。Tカード会員が3378万人もいると聞いて驚いています。日本の人口の3割を占めています。
増田 1年間使わなかった人は削除していますので、これは生きた数字です。
問 すごいことですね。年間どのぐらい増えているのですか。
増田 1年で400万人ずつ増えています。TSUTAYA以外でも発行できるようになって急激に増えました。
問 これはどこまで増えると予測されていますか。
増田 ターゲットになる日本人は約6000万人だと思っていますのでそのぐらいは行くと思います。
問 すごい数字ですね。アライアンス企業は何社になりますか。
増田 62社です。これらのアライアンス企業の店舗でお客様がTカードを擦る(使用する)とその情報が光ファイバーで統合データベースに蓄積されます。このデータベースが基となるのです。Tカード会員に3カ月ごとにアンケートをとっていますので、さまざまなデータが読み取れます。例えばファミリーマートさんの場合は、なぜファミリーマートを利用するのか理由を聞くことができます。いくつかの項目の中でTポイントがたまるからと答えた人が多かったです。
相互送客というメリット
問 Tポイントがお客様の店舗選択の理由になっているのですね。
増田 互いにお客様を送ることもできます。例えばファミリーマートとTSUTAYAの事例をお話しましょう。ファミリーマートで買い物をしてTカードを擦ると、統合データベースに問合わせにいき、そのお客様が一定期間TSUTAYAに来店していなければ、その場で来店を促すクーポンを出力できます。
問 顧客履歴が蓄積されているということですね、
増田 勿論です。逆にTポイントを擦ったTSUTAYAのお客様に、ファミリーマートの新製品のクーポンを出力することもできるのです。これが送客ということです。
問 アライアンス企業が互いに送客できるとなると、すごいメリットですね。
増田 擦った時にその人の利用状況がわかりますから、未利用者にさまざまなクーポンを発行することができます。ファミリーマートに来ていない人に自分たちが売りたい商品のクーポンを出す。さらに買った人にアンケートを取ることもできます。購入理由、今後の購買意向を聞くこともできるのです。
問 そこまでできるとはすごいです。会員3378万人の購買履歴がわかるということですね。
増田 これがデータベースマーケティングです。
問 62社のアライアンス企業はこのデータベースを共有できるのですね。
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