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ファミリーマート 代表取締役社長上田準二 |
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増田さんの話には夢がある
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[2009-12-28 01:19:04] |
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ある日突然、上田に増田から「会いたい」と連絡が入った。増田の名前こそ知っていたが面識はない。「ところで、何の御用ですか」と訊ねると単刀直入に「Tポイントカードの件で話があります」という。あまりにもいきなりの電話で面食らったのも当然だろう。当時、増田はコンビニ業界のライバルであるローソンの社外取締役に名を連ねていたからだ。せっかくなので、競合他社のカード事業について勉強させてもらおうと会うことにした。
会うなり増田は資料を机の上に並べて、得意のプレゼン力でTポイントカードの可能性について話し始めた。2004年からファミマカードを発行している上田はポイントカード事業の方向性については承知済みであった。
「最初のうちは、そんなこと言われなくても分かっとるわい」と上田は思った。しかし、話を聞いていくうちに、増田がポイントカード事業の将来図を鮮明に描いていることが伝わり、説得力があった。ファミマカードは顧客の囲い込みだけを目的としていたが、Tポイントカードの事業構想には「なるほど」と唸らせるものがあり、増田のその先見性に一目置いた。そして、何より増田の正直さに惹かれた。
「実は某社とは決裂しました。振られました」と、増田は上田にローソンとのいきさつを素直に語った。「振ったではなく、振られたというのが正直でいい」と上田は言う。
「Tポイントカード事業は広く異業種がアライアンスを組んで参加することで価値が出る。だから、私はファミリーマートと組みたい」と増田は切実に訴えた。
「増田さんはビジネスの構想を描くのが上手く、将来に夢がある。そして、正直である」と増田の第一印象について上田は語る。
初めてのアポイントで増田のプレゼンに上田が興味を示したのを見逃さず、帰り際に口説き文句も忘れなかった。
「この話に乗らなければ、ファミリーマートは損しますよ」
ユーモアを愛する経営者同士、1度の面会でも相通ずるものがあったのだろう。「黙っていると私が言いたいことを全部増田さんが話してしまう」と、今では冗談を掛け合う仲なのだ。
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