特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 社会学者・大澤真幸さん

毎日新聞 2012年07月27日 東京夕刊

大澤真幸さん=須賀川理撮影
大澤真幸さん=須賀川理撮影

 だからこそ「敗戦時の日本の知識人のように、原子力を語る責任がある」と感じた。

 歴史を見ずに国の未来は見えない。大澤さんは、1953年のアイゼンハワー米大統領(当時)による核の平和利用提案で動きだした日本の原子力導入の歴史を掘り下げた。「核武装のための技術推進だと言う人もいますが、もっと漠然と、原子力を我が物とすることが、日本人の失われたプライドを取り戻すのに必要だったんです。原爆を落とされた劣等感と、アメリカの手のひらの上に乗せられる屈辱を乗り越えるには、原子力を自分のものにしようと……」

 劣等感は同じ敗戦国でもドイツ、イタリアの比ではなかった。「ナチズムもイタリアのファシズムも否定されましたが、否定した連合国側も西欧の価値観の中にいたので(自分たちの価値のせめぎ合いという形で)自己反省すればよかった。でも日本の場合、米国という外部の科学技術で自分たちの価値観を完全に壊され、何も残らなかった。だから何かを取りにいかなくてはならなかった」。それが核だったという説だ。

 「敗戦のとき、日本の知識人、柳田国男と折口信夫が、日本人はこの先何を精神的よりどころにすべきかを説いた。柳田は天皇より前からある祖先崇拝、多神教を。折口は日本も西洋に匹敵する一神教、古事記より古い宗教に帰れと訴えた。だが、社会は宗教には戻らず、精神の空洞を技術や経済で埋めようとした」

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