韓国・釜山の原発:隣接する村が電力会社に集団移転要望
毎日新聞 2012年08月19日 13時59分
福島の事故が衝撃を与えたのは吉川里に限らない。今年2月には45の自治体が脱原発を宣言。古里原発の運転差し止めを求めて昨年4月に始まった裁判の原告の一人、脱原発団体の千玄真(チョン・ヒョンジン)さん(32)は「政府が電力逼迫を言うのは市民の反発を萎縮させるためだ。市民は福島の事故で原発に敏感になっており廃炉を望む声は今でも多い」と語る。
日韓で脱原発を目指す市民交流も始まっている。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の運転差し止め訴訟には韓国から原告3人が参加。5月に釜山市で玄海訴訟の説明会が開かれた際には「日本の脱原発の動きを参考にしたい」との声が寄せられた。原告で牧師の李大洙(イ・デス)さん(56)は「脱原発に向かう日本が数年後に世界のモデルになっていることを期待したい」と日本の行方を注視している。【関谷俊介、金秀蓮】
◇韓国の原発