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【大リーグ】

ダル、収穫ありの納得敗戦 2桁奪三振試合7度はリーグ最多

2012年8月19日 紙面から

◇ブルージェイズ3−2レンジャーズ

 【トロント穐村賢】レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は17日(日本時間18日)、敵地でのブルージェイズ戦に先発。7イニングを3安打3失点、10奪三振、2四死球と好投した。打線の援護に恵まれず、9敗目(12勝)を喫したが、前回(12日のタイガース戦)登板から変えたやや前傾姿勢の新投球フォームの効果で、球宴以降に苦しんでいた制球の悪さが劇的に改善され、今後の活躍を予感させた。また、2桁奪三振は今季7度目(両リーグ通じて最多)で、1973年のジム・ビビーに並ぶ球団タイ記録。負けて悔いなしの“実り多き敗戦”となった。

 試合を振り返るダルビッシュの表情は敗戦投手のそれではなかった。

 「だいぶ自信を持って投げられていたし、どんどん攻めていけた。ちょっとずつですけど前に進んでると思う」。13勝目にこそ手が届かなかったが、自己最少タイとなる1試合1四球で2試合続けてクオリティースタート(6イニング以上投げて3失点以下)を記録した右腕に後ろめたさはみじんもなかった。

 この日も前回登板から取り入れた、上半身をやや前傾させ、お尻を突き出すような投球フォームを継続して制球が安定。直球のスピードは90マイル(約145キロ)前後と本人も「走ってなかった」と認めたが、試合後の記者会見で何度も口にした「低め」への意識が7イニング3失点という好投につながった。

 ダルビッシュの代名詞ともなっている奪三振でも今季7度目の2桁、10個をマーク。「真っすぐでも変化球でも三振が取れて、今日はいい三振の取り方をできた」と納得の表情を浮かべた。今季通算7度はディッキー(メッツ)の6度、ヘルナンデス(マリナーズ)の5度など、両リーグを代表する奪三振マシンをしのぐ数字だった。

 勝ち運だけに恵まれなかった。1回、過去2試合の対戦で5打数4安打1本塁打と苦手とする天敵エンカーナシオンに、真ん中高めへに抜けたスライダーを左翼席上段へと運ばれ、2点の先制を許す。5回2死からは9番ゴースの中前への浅い飛球を、中堅手ジェントリーが判断ミスで三塁打にしてしまう失態もあって追加点を奪われた。

 ダルビッシュは「僕が(味方のミスを)カバーしたかった。点を取ってもらった後の回だったので、僕自身も悔しかった」と自分を責めたが、この1点を含めても3失点。先発投手としての責務は十分に果たした。

 「先に2点取られたけど、気持ちを切り替えて『また最初から』という気持ちで自分の投球ができた」とダルビッシュ。その投球スタイルは日本時代の輝きを徐々に取り戻しつつある。ワシントン監督も「ヒット1本で局面を変えられる機会が何度もあった」と貧打を嘆いたが、敗因を新人右腕に求めることはなかった。

 

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