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マイカー規制「乗鞍スカイライン」 EV乗り入れ実験開始

観光客数の変化 環境影響を探る


実証実験で電気自動車を運転する参加者

 マイカー規制が行われている高山市の「乗鞍スカイライン」(14・4キロ)で17日、排ガスを出さない電気自動車(EV)の乗り入れ実験が始まった。環境保全と地域振興の効果を探るのが目的で、同市などでつくる「乗鞍自動車利用適正化協議会」が3年かけて実験し、EV乗り入れの可否を検討する。

 乗鞍スカイラインは中部山岳国立公園内の乗鞍岳を通る観光山岳道路で、自然環境の保護を目的に、2003年からマイカーの乗り入れを規制している。バスやタクシー、自転車は通れるが、かつては年間40万人を超えていた観光客数が、規制後は半減した。実験では、EVの利用で観光客がどれくらい増えるかや、環境への影響などを調べる。

 今年は9月18日までの1か月で、初日は、事前に申し込んだ岐阜市や関東の3組10人が参加。市が用意した3台のEVで、バスの発着地「ほおのき平バスターミナル」(1234メートル)から終点の畳平の駐車場(2702メートル)まで走行した。途中、空き地に車を止めて3000メートル級の山並みや高山植物を楽しんでいた。

 ただ、出発時は約100キロの走行が可能と計器に表示されていたが、上り坂だったためか、片道約20キロを走った後の残りの走行距離は約30キロになっていた。また、走行時の音が静かなため、途中、自転車や歩行者が車の接近に気付くのが遅れるケースもみられた。

 実験に参加した神奈川県茅ヶ崎市、会社員石井裕さん(38)は「坂道でも加速がよく、景色も楽しめたが、歩行者が急に前を横切って、びっくりした」と話した。

 参加は無料だが、環境保全税と駐車料金計2000円が必要。希望日の3日前までに申し込む。問い合わせは同協議会事務局の高山市環境政策推進課(0577・35・3533)。


2012年8月18日  読売新聞)
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