社説:終盤国会 解散前にすべきことは
毎日新聞 2012年08月19日 02時32分
国会はお盆休みを終え、週明けから審議が再開する。民主、自民、公明3党首による「近いうちに解散」合意を受けて、与野党は早期の衆院解散をにらんで、再び対決姿勢を強めそうだ。だが、9月8日の会期末まで時間は少ないものの、与野党が最低限、取り組むべき課題はいくつもある。少なくとも解散・総選挙はそれからである。
最たるものが、違憲・違法状態にある衆院小選挙区の「1票の格差」問題だ。私たちが再三指摘してきたように、格差是正に何ら立法措置を講じないまま衆院選に踏み切った場合、司法は選挙は無効との判決を下す可能性がある。つまり是正は選挙の前提である。にもかかわらず今に至っても結論が出せない一番の責任はやはり民主党にある。
民主党はこの格差是正と衆院議員の定数削減、選挙制度の抜本改革の3点同時決着を目指してきた。なるほど消費増税で国民に負担増を求める以上、定数を削減し、議員自らが身を削る必要があるとの主張はもっともだ。同時に民主党には、中小政党に有利な小選挙区比例代表連用制を提起することで、とりわけ公明党を味方にしたいという国会対策上の思惑もあったのだろう。