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円山動物園のチンパンジーに遺産1000万円

円山動物園に遺産1千万 工藤桂一さん
円山動物園に遺産1千万円を寄付した工藤桂一さん(友人提供)
Photo By 共同 

 動物園のチンパンジーに遺産1000万円を残した男性がいる。1月に67歳で亡くなった札幌市北区の元高校教師工藤桂一さん。定年退職後の09年4月、ウオーキングを兼ねて同市中央区の円山動物園に通い始め、6歳の雌のチンパンジー「レディ」と出合った。園によると、こうした形の多額の寄付は初めてではないかといい、飼育展示課の柴田千賀子課長(47)は「とてもありがたく、驚いています」と話している。

 レディは、生後2カ月だった06年4月、母親に抱かれた状態で鉄塔から落下。かばった母親が死に、以降は飼育員の手で育てられた。工藤さんが出合ったのは、仲間の元に戻る訓練をしている時。年間300日以上通い、午前9時の開園から午後4時ごろまで応援するように見守り続けた。

 飼育員らとも顔見知りになった10年秋、工藤さんは肺がんと診断された。手術は成功したが、脳梗塞を併発。最後に訪れたのは昨年7月2日。医師や看護師が付き添い、園内を車椅子で回った。レディにも合い「十分満足」と涙を流したという。

 独身の工藤さんは生前、友人に「遺産は動物園に」と頼み、友人が園を運営する市に寄付。飼育員の祐川猛さん(43)は「なぜレディをそこまで思ってくれたのかは分からないが、レディにも気持ちが伝わるよう何かを残したい」と話した。園は基金を設立し、動物の遊具の充実などに役立てる考えだ。

[ 2012年8月19日 06:00 ]

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