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事件
【尖閣上陸】上陸ビデオ公開是非 揺れる海保 活動家に利する懸念も
2012.8.19 00:50
沖縄県・尖閣諸島の魚釣島に香港の団体「保(ほ)釣(ちょう)行動委員会」の活動家らが上陸した事件で、海上保安庁が事件の様子を撮影したビデオ映像を公開すべきかどうかで揺れている。政府は非公開の方針を示しているが、抗議船の非を国際社会に訴える有効な手段。海保は映像公開の影響などを検討した上で、最終的に決断する方針だ。
海保はこれまで、事件などの現場を撮影した映像や写真を積極的に公表してきた。平成13年に鹿児島・奄美大島沖で起きた北朝鮮工作船沈没事件では映像を事件直後に公開。北朝鮮側が工作船の存在を公式に認めるなど外交にも貢献した。
一方、22年の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件では「捜査資料」などとの理由で公開されず、海保内部からの映像流出を招いた。
事件によって判断が分かれることについて、海保関係者は「公開のメリットとデメリットを総合的に見ないといけない」と話す。
今回の不法上陸事件では逮捕された全員が送検前に強制送還されている。映像公開による捜査上の支障はない。「映像を国民に示す意味、効果は確かにあり、公開したほうがいいと思う」と話す海保幹部もいる。一方で、海保が映像を公開することで、活動家らのアピールに加担することになるとの懸念もある。
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