「発表もの垂れ流し記者」は淘汰されていく
メディアが錯綜する情報を取捨選択し、意味づけや背景説明などの付加価値をつけて発信するからこそ、国民は「必要な情報」をスピーディーに分かりやすく得ることができるのだ。
記者クラブとはそういうものだ。
記者会見は記者クラブが主催するというのがスジである。そうでないと、公的機関側の恣意的裁量によって、記者会見を行うかどうかが決められてしまう。これは自由な報道に反する。
ここのところが、記者会見の開放問題を複雑にしている。
一定の蓄積を持つフリーライターなどの記者会見参加を認めるには、事前審査が必要だ。セキュリティーの問題もある。この審査を記者クラブがやるわけにはいかない。記者会見の開放には、この点の克服に知恵をしぼる必要がある。
記者クラブにふんぞり返って、発表ものを記事にしているだけといった批判も、実態を反映していない。いまどき、そんな記者を抱えていられるメディアはない。そういう記者は淘汰されていくのである。
花岡信昭氏のコラム「我々の国家はどこに向かっているのか」は、09年5月7日まで「SAFETY JAPAN」サイトにて公開して参りましたが、09年5月13日より、掲載媒体が「nikkeiBPnet」に変更になりました。今後ともよろしくお願いいたします。また、花岡氏の過去の記事は、今後ともSAFETY JAPANにて購読できますので、よろしくご愛読ください。
花岡 信昭(はなおか・のぶあき)
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