報道界が100年以上かけて獲得した「権利」
記者会見全面開放論は「記者クラブは諸悪の根源」論とリンクしているのだ。
上杉氏は「記者クラブの存在自体をうんぬんしているのではない。記者会見の開放を求めているのだ」と言うのだが、記者クラブと記者会見を切り離して論ずるのは、やはり無理がある。
そのあたりの整理を試みたい。
まずは、記者クラブとはどういうものか、なぜ必要なのか、というそもそも論から始めなくてはならない。そうでないと、一般の理解を得るのは難しく、実態を知らない人たち(かなりの識者も含まれる)による「記者クラブ性悪説」がはびこってしまうからだ。
そこからメディアへの不信が生まれているというのであれば、これは誤解を解いておかないといけない。記者クラブをめぐる不毛の議論を続けていても生産的ではない。
記者クラブは日本の報道界が100年以上かけて獲得した「権利」である。
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