【社説】韓日は報復と再報復の悪循環を繰り返すのか

 日本の藤村修官房長官は15日の記者会見で、韓日通貨スワップ協定見直しの可能性を問う記者たちに「必要な相応の措置というものは、取らざるを得ないということになる」と答え、これを否定しなかった。李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(日本名:竹島)訪問と日王(天皇)謝罪要求発言で表面化した韓日外交摩擦は、経済分野に広がる兆しを見せている。

 通貨スワップとは、ある国で通貨危機が発生した際に相手国が外貨を貸し、危機を乗り越えられるようにする措置のことだ。韓日両国は2008年の世界金融危機の際、一時的に通貨スワップ限度額を130億ドル(現在のレートで約1兆300億円)から300億ドル(約2兆3800億円)に拡大した。10年には130億ドルに戻したが、昨年10月の韓日首脳会談で再度700億ドル(約5兆5500億円)に引き上げることで合意していた。昨年増えた通貨スワップ570億ドル(約4兆5200億円)の期限は今年10月だ。藤村官房長官の発言は、この570億ドルの期限を延長しない可能性があることを意味するとみられる。

 韓日通貨スワップ協定が延長されないからといって、すぐに韓国の外国為替状況に問題が起きるということではない。7月末現在で外貨3143億ドル(約25兆円)を確保しており、中国と560億ドル(約4兆4400億円)の通貨スワップ協定も結んでいる。さらにチェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM)資金2400億ドル(約19兆円)のうち384億ドル(約3兆円)を随時引き出すことができるほか、緊急時の資金も合計944億ドル(約7兆4800億円)確保できている。日本が韓日通貨スワップ協定を停止しても、韓国にとっては非常時に備えた「保険」を一つ失う程度のことだ。

 韓国にとって日本は中国に次ぐ第2の貿易相手国だ。日本にとっても韓国は中国・米国に次ぐ第3の貿易相手国である。韓国・中国・日本は自動車・造船・鉄鋼・電子などの主要産業で激しく競い合う一方、域内分業システムを通じ最も緊密な貿易パートナーになっている。韓中日は北米・欧州の地域経済ブロックに対抗するため、アジア地域の市場統合強化においても重要な役割を果たしている。韓日間で経済報復措置が相次げば、どちらの国にとっても良いことはない。

 韓日両国の最近の対立は、政治分野から経済分野へと広がっており、これがまた両国国民の感情対立を増幅するという最悪のコースをたどろうとしている。野田政権発足以降、右傾化世論に便乗した対外戦略が連鎖的な衝突を招いているのだ。両国の指導者をはじめとする政治家たちの理性的な判断と行動が必要な時だ。

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