「電力不足」「筋電」の声が聞かれない この夏の不思議
【政治・経済】
五輪中継優先のテレビ局の陰謀か電力会社のゴマカシの証しなのか
原発事故が起きた昨年は、あちこちに電力需給を示す電光掲示板が置かれ、「節電、節電」と騒がれた。ところが今年は計画停電も何もないから、さっぱり分からない。一部で「再稼働が必要だ」と言われているように、新潟の柏崎刈羽やその他の原発が動かなくても大丈夫なのか。
ジャーナリストの横田一氏がこう指摘する。
「今年は電力不足どころか、全国的に電力が余っています。最も厳しいとされていた関電でさえ、大飯原発を再稼働しなくても電力が足りていたことが分かった。電力余りの理由は、停電に懲りた各企業が自家発電や省エネ対策を進めたり、家庭で節電意識が高まったことが挙げられますが、そもそも、電力会社がウソの数字を使って電力不足を煽っていたことが大きい。例えば、関電は揚水発電の供給能力を200万キロワットも低く見積もっていたし、電力需要量は実際より300万キロワットも高く予想していました。まったくバカにした話です」
この夏、関電管内で電力使用率が90%を超えた日は、たったの2日しかない。東電も同様で、5月に発表した需給見通しでは、8月(猛暑の場合)の需要は5520万キロワット、供給力は5771万キロワットだった。だが、フタを開けてみると、需要はピークタイムでも3000万~4000万キロワット程度。真夏日でも使用率は60~70%台がザラなのである。
「電力会社は『電力は足りている』と言ってしまうと、原発再稼働ができなくなって債務超過に陥るため、口が裂けても本当の数字を言えないのです」(横田一氏=前出)
そんな裏側を大マスコミは知っているから、NHKも民放もガンガン電波を流す。何も知らない正直な国民だけが暑い中で節電に励み、寿命を縮めているのだ。