韓国、「日韓通貨スワップ協定なくても困らない」

2012/08/17 12:00

 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領による竹島(韓国名・独島)上陸や、天皇陛下の訪韓に関する一連の発言などに対し日本側が対抗措置として日韓通貨スワップ協定の見直しに言及した件で、17日付ソウル新聞は韓国政府高官の話として同協定が破棄されても「ウォンの価値は変わらない」としたと報じている。

 同紙によると大統領府は、日本の野田首相で過去問題解決にこれ以上期待できないと判断。ある大統領府高官は、「野田政権になって過去の歴史、領土問題が逆行している。野田首相以外の誰が首相になっても、現状よりはまし」とした。
 またこの高官は、藤村官房長官が15日に言及した日韓通貨スワップ協定の見直しについて「同協定は日本が恩恵的に韓国に与えているようなものではなく、相互利益のために結んだもの。(11年10月に)通貨スワップ枠を(700億ドルへ)増やしたのも、事実上日本が先に提案した」と指摘。仮に日本との通貨スワップ協定がなくても、「ウォンの価値が不安定になる状況ではない」と述べたという。

 日韓通貨スワップ協定は、05年から始まった金融市場の安定を目的として緊急時に外貨を相互に融通し合う制度。昨年10月、欧州情勢などグローバル経済が悪化するなか、金融市場の安定化を目的に財務省(外為特会)と韓国銀行(中央銀行)間で限度額300億ドル・期間1年のドル・自国通貨の通貨スワップを締結。日銀と韓銀も円ウォン通貨スワップを30億ドルから300億ドルに引き上げた。これに通貨危機時、ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3(中国、日本、韓国)各国が外貨を融通し合うチェンマイ・イニシアチブによる通貨スワップ100億ドルを併せ、日韓間の通貨スワップは現在、700億ドルとなっている。

 17日の日韓両国株価は、日経平均株価が前日比69円74銭高(0.77%)の9162円50銭、韓国総合株価指数(KOSPI)は同11.37ポイント安(0.58%)の1946.54で終了している。 

(宮尾克弥)

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