台湾:尖閣上陸時に中・台の旗…馬政権、苦しい対応
毎日新聞 2012年08月17日 11時26分(最終更新 08月17日 11時42分)
【香港・大谷麻由美】台湾も領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島(台湾名・釣魚台)に香港の活動家が上陸した際、台湾の旗である「青天白日満地紅旗」を中国国旗「五星紅旗」と一緒に掲げたことで、馬英九政権は難しい立場に置かれている。尖閣諸島の領有権問題で、台湾は再三、「中国と協力して解決しない」と日本側に伝えてきたのに、二つの旗が掲げられた事実を否定できず、台湾側は釈明に追われている。
活動家側は中国と台湾、香港の連携をアピールし、日本に対する圧力を強める目的で旗を持ち出したとみられる。また、抗議船が15日未明、台湾から救援物資を提供された後、尖閣に向かったことに関し、台湾外交部(外務省)は「支援は純然たる人道的考慮」と説明した。
台湾外交部の董国猷(とう・こくゆう)政務次長は16日、日本の対台湾窓口機関、交流協会の樽井澄夫台北事務所代表(大使に相当)と会談し、旗が尖閣に立てられたことについて「我が政府の主張と合っている」と原則的立場を述べながらも、旗がともに掲げられた事実は「全く知らなかった」と釈明した。台湾側としては、日本に“台湾が中国と通じている”と疑われることも避けたかったようだ。