ロンドン五輪サッカー男子3位決定戦終了直後に、朴鍾佑(パク・チョンウ、23)=釜山アイパーク=が「独島(日本名:竹島)は韓国の領土だ」と書かれたプラカードを掲げた問題の収拾過程で、大韓サッカー協会の不適切な事務処理が明らかになり非難を浴びている。
同協会の趙重衍(チョ・ジュンヨン)会長は17日、国会文化体育観光放送通信委員会に出席し、「(今回の事件について)すべての責任は会長(である自分)にある」と謝罪した。しかし、「退陣すべきではないか」という指摘に対しては「今は朴鍾佑の問題を解決するのが先だ。その後に責任を取るべきことがあるなら取る」と述べた。
趙会長は日本サッカー協会に「釈明メール」を送った理由について、「『JFA(日本サッカー協会)と円満解決せよ』というFIFA(国際サッカー連盟)法務局長の指示があった。13日にJFAに対し、今回の件は故意ではなかったという経緯を説明した上で遺憾の意を伝えた。予防的な措置だった」と説明した。
スイスのFIFA本部を訪れて事情説明書を提出した後、同日帰国して委員会に出席した金鋳城(キム・ジュソン)大韓サッカー協会事務総長は「大韓体育会の朴容晟(パク・ヨンソン)会長と大韓サッカー協会の趙会長が話し合いを持ち、日本(サッカー協会)と友好な関係を維持するためにも電子メールを送った方がいいという話になったと聞いた。私は『手紙を送った方が良さそうだ』と報告し、趙会長も検討してみよう言ったので、国際局の職員がまとめた文書に趙会長のサイン(印鑑)を押してメールを送った後、趙会長に報告した」と話した。
一方、朴鍾佑を銅メダルの授賞式から外した理由も物議を醸した。朴会長は「IOC(国際オリンピック委員会)とNOC(国内オリンピック委員会)間の調整役を務める日系米国人のトシオ・ツルナガIOCプログラム部長(NOC担当)から『朴鍾佑の問題に関連しIOCが調査に着手するため、朴鍾佑の授賞式出席を自粛してほしい』との連絡を受けた。大韓体育会で協議した上で朴鍾佑の授賞式欠席を決定、IOCに通知した」と話した。朴会長は「IOCが銅メダルを17個しか持って来なかったため、朴鍾佑が授賞式でメダルを首にかけられなければさらに事態が大きくなると思った」として、朴鍾佑の授賞式欠席は朴会長自身が下した決定だったことを認めた。
だが、「なぜ朴鍾佑の行動が事前に準備したセレモニーではなく偶発的な行動だったと一度も抗議しなかったのか」というチェ・ミンヒ民主統合党議員の質問に、朴会長は明確に答えられなかった。「日本の体操選手のユニホームは(帝国主義を象徴する)旭日昇天旗であり、大東亜旗だ。大韓体育会はIOCに抗議すべきだ」とチェ議員が訴えると、朴会長は「分かった」とだけ答えた。