名古屋グランパスのMF藤本淳吾(28)が17日、クラブが20周年記念試合と位置づけている18日のG大阪戦でメモリアル・フリーキックを決めると語った。夏の甲子園では母校・桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手が2試合で41三振を奪って快進撃中。聖地で奮投する後輩に負けじと、藤本が豊田スタジアムに美しいアーチを描く。
甲子園を席巻する桐光学園のスーパー2年生・松井の宝刀が落差のあるスライダーなら、先輩の藤本にも高速で曲がり落ちるフリーキックがある。練習後にはフリーキックを繰り返し確認。「もちろん直接狙える位置なら決めたい。コーナーキックや直接狙えない距離なら、どれだけいいボールをゴール前に供給できるか」。“セットプレー職人”としての責任感を口にした。
母校の野球部とは浅からぬ縁がある。桐光学園が甲子園に初出場したのが藤本が高3だった01年春。当時主将で捕手だった天野喜英さん(28)は親友で、現在は野球部コーチを務めている。藤本は「校歌が聞けたのがうれしい。機会があったら応援に行きたいくらい」と笑う。練習の都合でなかなか応援には行けないが、試合の様子は詳細にチェックしている。
負けたら終わりの甲子園と同じように、グランパスにとってもG大阪戦は単なるリーグ戦の一試合ではない。20周年記念試合と位置づけて大々的にプロモーションし、選手は限定ユニホームを着て戦う。藤本は「積み重ねてきた歴史がある。負けられない」と語る。
日本代表としてベネズエラ戦(15日)を戦った疲労はあるだろうが、休みだった16日には釣り堀で釣り糸をたれて気持ちを切り替えた。「ボクと玉さん(玉田)でリズムを作っていけたら」と藤本。節目の試合で黄金の左足が輝く。 (木村尚公)
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